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住民の目で津波対策 田辺市、活発に議論し計画作り

地区の地図を広げ、危険箇所について意見を出し合う住民(和歌山県田辺市上屋敷1丁目で)
地区の地図を広げ、危険箇所について意見を出し合う住民(和歌山県田辺市上屋敷1丁目で)
 住民の目で津波対策を考える研修会が、和歌山県田辺市の中部地区と三栖谷地区で始まった。住民同士の活発な議論を通じ、防災意識を高めるのが狙い。3回の研修を通じ、避難マップと避難計画を作り、地区内に配布する。

 南海トラフ巨大地震による津波で、田辺市では最悪の場合、1万5200人の犠牲が想定されている。研修会は津波災害警戒区域のある68の自主防災会や町内会を対象に、市が2018年度から4カ年事業で始めた。

 中部地区の研修会は5日、中部公民館(田辺市上屋敷1丁目)であり、約20人が地域別の4グループに分かれて地図を広げ、避難路や避難場所、危険箇所について意見を交わした。

 開始当初は「今ある避難マップで良いのでは」と研修会に疑問の声も上がったが、次第に議論は白熱。「ここのブロック塀は高くて危険」「(扇ケ浜にある)武道館に避難するのは心理的に難しい」「(市指定の)避難場所まで高齢者が自力で移動するのは無理だ」などさまざまな課題を出し合った。

 八幡町内会の男性(78)は「東日本大震災以前から避難路の整備や防災マップの作成に取り組んできたが、中だるみ感があった。地域の世代交代も進んでおり、防災意識を受け継ぐことが大切。再始動する良い機会になった」と話した。

 原雅樹危機管理局長は「地域を何とかしたいとの思いが強く、議論が白熱していた。マップ、計画は作って終わりではない。コロナ禍が落ち着けば、防災訓練などで活用してほしい」と話している。

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