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【動画】山奥で「鯛釣り」 古座川町の神玉神社例祭

 和歌山県古座川町の奥地にある神玉神社(古座川町小森川)の例祭が5日にあり「鯛(たい)釣り」などユニークな神事が営まれた。今年は例年よりも多い約60人が参列し、一年間の無病息災などを願った。

 神玉神社があるのは県の名勝・天然記念物に指定されている「滝の拝」から、さらに上流に向かって13キロ余り行った場所。小森川の住民は現在1人となっており、祭りは地区出身者やその家族、ボランティアらが協力して続けているという。

 祭りでは井谷正守宮司(67)が、釜に入った湯にササを入れてかき回し、参列者に湯を掛ける「湯立神事」をして、祝詞を奏上。参列者が玉串を供えた後に「鯛釣り神事」があり、小森川出身で総代長を務める野口貢盟さん(59)が竿を手に持ち、参列者につけてもらった赤、白、黒の鯛の形をした板3枚を釣り上げた。最後に鯛を数え「三九(さんく)27匹釣りました」と言うと、参列者が皆で「大漁、大漁」とはやした。

 続いて弓で矢を放つ「鳥射ち神事」や芋を洗うまねをする「芋洗い神事」、社務所に向かって柿の種を投げる「猿追い神事」を営んだほか、餅投げなどもあって例祭を盛り上げた。

 野口さんは「今年は日曜だったこともあり、いつもよりかなり多くの方に参列していただくことができ、大変うれしい。鯛釣り神事の由来は分かっていないが、海に対する憧れがあったのではないかという説もある。コロナ禍が収束すればもっとPRに努め、これからもできる限り続けていきたい」と話していた。

 この日は串本町田原にある木葉神社(井谷正守宮司)でも県指定無形民俗文化財の「ねんねこ祭り」が営まれたが、コロナ禍のために昨年に続いて規模を縮小。本殿前で「大前の儀」のみを営んだ。


神玉神社の例祭で営まれた鯛釣り神事(5日、和歌山県古座川町小森川で)
神玉神社の例祭で営まれた鯛釣り神事(5日、和歌山県古座川町小森川で)
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