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再造林促進とシカ対策でシンポ 林業関係者150人参加

再造林の省力化などをテーマに開催されたシンポジウム=和歌山県田辺市文里2丁目で
再造林の省力化などをテーマに開催されたシンポジウム=和歌山県田辺市文里2丁目で
 「再造林の省力化とシカ対策」をテーマにしたシンポジウムが7日、和歌山県田辺市文里2丁目のガーデンホテルハナヨであった。県外を含む林業関係者約150人が参加し、専門家から再造林を促進するための課題や最新の取り組みなどについて話を聞いた。

 地球温暖化防止や国土保全といった森林が持つ多面的な機能を持続的に発揮するためには、伐採後の再造林が必要とされる。しかし、作業の過酷さなどから、行われていないケースがある。さらに植栽後のシカによる森林被害が大きな課題になっている。このような課題解決を目指し、近畿中国森林管理局技術普及課、和歌山森林管理署、県などが共催でシンポジウムを開いた。

 「再造林の促進について」をテーマに講演した林野庁業務課の見市貴司さんは、今後、造林作業の増加が見込まれているが、林業従事者が減少していることから、再造林を進めるには作業の省力化、効率化が不可欠であると説明。

 普通の「裸苗」に比べて育苗期間が短く、植栽できる時期が長い「コンテナ苗」などを活用し、伐採と造林の一貫作業を標準化していく必要があると話した。

 近畿中国森林管理局の森本茂さんは「森林管理局の再造林省力化の取り組みについて」をテーマに講演。「コンテナ苗」は、植え付け現場での保管が容易で、植え付け時間を短縮できるなどメリットが大きいが、「裸苗」に比べて単価が約2倍であるとし、「コンテナ苗」の単価を下げていくことが今後の課題であると話した。

 森林総合研究所関西支所の八代田千鶴さんは「シカ対策について」をテーマに講演。くくりわな、銃器による誘引狙撃などの捕獲方法や、捕獲したシカの運搬作業を軽減する電動一輪車、携帯型電動ウインチなどを紹介した。

 翌8日には、すさみ町の国有林で現地検討会があった。林業関係者約130人が参加し、ドローンを使った資材運搬や捕獲したシカを機材によって運搬する様子などを見学した。

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