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森林との共生を答申 田辺市の森づくり構想策定委

熊野古道周辺の景観(和歌山県田辺市中辺路町)
熊野古道周辺の景観(和歌山県田辺市中辺路町)
 和歌山県田辺市の森林施策の指針となる「森づくり構想」を審議してきた策定等委員会(委員長=大浦由美・和歌山大学観光学部教授)は20日、構想案を真砂充敏市長に答申した。森林の将来像は「森林と人との共生が紡ぐ、ていねいな暮らしの息づく山村風景」としている。市は来年3月に構想を発表する予定。

 森づくり構想は、国の「森林経営管理制度」創設を受け、国から配分される「森林環境譲与税」などを活用して計画的に施策を進めていくために策定する。

 基本方針は「環境」「社会」「経済」の三つ。これらの方針に基づき、今後10年間(2022~31年)に優先して取り組む基本的施策として、適正な森林管理▽熊野古道の文化的景観の保全▽林業の担い手育成▽地域産材の利用推進▽林業の振興▽木材の流通・加工の支援―などを挙げている。

 委員会は大浦委員長のほか、和歌山ユネスコ協会会長の濵野公二さん、市文化財審議会委員の土永知子さんで構成。昨年10月に諮問を受け、現地調査もしながら9回にわたって審議を重ねてきた。

 真砂市長に答申書を手渡した大浦委員長は「構想の推進に当たり、委員会で出された意見を十分尊重するとともに、各種施策の着実な実施で、将来像が実現されることを期待している」と述べた。

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