和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

「10増10減」腹立たしい 国会議員座談会で二階氏

和歌山県内課題などについて議論する、国会議員の座談会(10日、和歌山市で)
和歌山県内課題などについて議論する、国会議員の座談会(10日、和歌山市で)
 和歌山県ゆかりの国会議員による座談会が10日、和歌山放送(和歌山市)であった。次期衆院選から、小選挙区を都市部で増やし、和歌山県など地方で減らす「10増10減」導入が検討されていることについて、自民党の二階俊博衆院議員は「腹立たしい。こんなことが許されてなるかということだ」と批判。他の出席者からも、見直しの議論を進めるべきだという意見が相次いだ。


 自民党の二階議員、石田真敏衆院議員、世耕弘成参院議員、鶴保庸介参院議員、公明党の浮島智子衆院議員、国民民主党の岸本周平衆院議員が出席、さまざまな課題について議論した。

 「10増10減」は、1票の格差を2倍以内に抑えるため2020年の国勢調査に基づいて「アダムズ方式」で算出した議席配分。和歌山県は3から2に減る。

 これについて、二階議員は「政府の方針でどこか間違いや手抜かりがあるのではないか。そういう議論は横に置いてすっ飛ばし、定数の話ばかりするが、地方にとっては迷惑。地方が栄えていけるように、対応を組んでいく」と憤った。

 石田議員も「法律に基づいた作業だが、このままでは東京は議員数が増え、地方で減少することが繰り返される。このままの制度でいいのか、議論することが大事だ」といい、和歌山県を含め影響を受ける選挙区が減る「3増3減」案が出ていることも説明。世耕議員は「価値観が多様化し、政策課題が複雑化している中、定数を増やして、いろんな分野の議員が出られるようにするのも一つの選択肢ではないか」と、定数増案を示した。

 野党の岸本議員も「5年の国勢調査ごとに、地方で小選挙区が減っていくのはどう考えてもおかしい。選挙制度そのものを見直すべき時に来ているのではないか」と話し、参院の合区解消についても「憲法上改正すべきであれば、今年にでも提案すればどうか。国民民主党はいつでも賛成できる」とした。

■「コロナ踏まえた推計を」 IR計画で岸本氏

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致についても議論した。鶴保議員は「賛成だが、懸念があることは事実だから、払拭(ふっしょく)する場はありとあらゆる機会を見つけてやっていくべきだ」とし、二階議員は「県民に、そんな恐ろしいものではないことを理解してもらい、疑問点を解消する努力をしていく。これによって道を開いていかないといけない」と話した。

 一方、岸本議員は「今の県の計画はコロナ前のもの。インバウンドがどうなるのか。カジノ業界もコロナでビジネスモデルがかなり大きく変わっている。賛成も反対も含めて、推計し直すことが必要ではないか」と意見を述べた。

 4車線化された阪和自動車道と湯浅御坊道路の有田―印南では年末年始の渋滞はなくなったが、みなべ―南紀田辺が渋滞したことも話題となり、世耕議員は「少なくとも観光産業の集積地である白浜までは4車線化を急がないといけない。海水浴シーズンも混むと思う」といい、二階議員は「遠慮することなく、地域の発展のために全力を挙げてやっていく」とした。

■石田議員が岸田派へ

 一方、これまで無派閥だった石田議員は岸田派に入る意向を示した。「比較的考え方が似ている。総理総裁のそばで、課題について、話をする機会が増えることは、日本のためにも和歌山のためにもなると考えた」と説明。石田議員は昨年9月の総裁選で、岸田首相の推薦人になった。

 このほか、新型コロナウイルス対策や大阪・関西万博などについても議論が交わされた。

公式SNS!フォローしてね!
友だち追加

アクセスランキング

趣味・娯楽

読者チャンネル

新着リリース

紀伊民報からのお知らせ