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県道復旧のめど立たず 巨石崩落の古座川町明神

全面通行止めが続く県道すさみ古座線(8日、和歌山県古座川町明神で)
全面通行止めが続く県道すさみ古座線(8日、和歌山県古座川町明神で)
張り出した状態になっている崩落箇所の上の岩
張り出した状態になっている崩落箇所の上の岩
 和歌山県古座川町明神の県道すさみ古座線が巨石の崩落によって全面通行止めとなってから、10日で1週間を迎える。県東牟婁振興局串本建設部によると、崩落した巨石などは撤去したが、崩落箇所の上に不安定な岩が残っており「かなり危険な状態で安全が確認できない」と説明。現地調査を進めており、現時点での全面通行止め解除のめどは「未定」としている。


 串本建設部によると、崩落は明神郵便局から東に約50メートルの県道沿いの岩壁で発生。縦5メートル、幅4メートル、厚さ3メートルぐらいある巨石などが下にある歩道や車道の一部に滑り落ち、3日午前1時45分から全面通行止めにした。

 巨石については4日に撤去を完了したが、崩落箇所の上がえぐれて張り出したような状態になっている。仮設防護柵を設置する予定だが、設置しても安全が確保できるかどうか分からないことから、現地調査を進めて対策を検討しているという。

 現場の古座川を挟んだ対岸には同町潤野と高瀬をつなぐ町道が川沿いに通っているが、幅員が狭く車の対向が難しい場所が多いことなどから、県では串本町を経由する国道371号や国道42号などを迂回(うかい)路として設定している。現場近くで働く50代男性は「通勤に20分ほど余分な時間がかかっているし、往来が少なくなって閑散としている。調査に時間がかかるとも言われており、こればかりは仕方がないが、できるだけ早く通れるようにしてほしい」と話した。

 県道の全面通行止めに伴い、町では町内を運行している「ふるさとバス」について一部運休にするなどして対応している。

 町総務課によると、七川地域から明神地区や高池地区などを経て、JR串本駅までの間を運行してきた「本川線」は現在、明神地区の規制箇所手前で折り返し、迂回路を通ってJR串本駅に到着するルートで運行している。そこから高池地区などへ向かう場合は「小川線」などを利用してもらうことになるという。

 西前啓市町長は「この道は町の幹線道路であり生活道路でもあるので、昼間だけでも片側で通れるようにしてもらいたいと言っているが、万が一崩れたら人命に関わることであり、本当に難しい。町として、できるだけ影響を緩和できるよう取り組みたい」と話す。

 串本建設部の担当者は「今の段階でいつということは言えないのは申し訳ないが、早期の通行止め解除に向けて対応していくので、ご迷惑をおかけするがご協力をお願いしたい」と話している。

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