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梅の里で先人の冥福祈る 南部梅林で慰霊祭

内中源蔵の頌徳碑前で手を合わせる梅の里観梅協会の役員(和歌山県みなべ町晩稲で)
内中源蔵の頌徳碑前で手を合わせる梅の里観梅協会の役員(和歌山県みなべ町晩稲で)
 和歌山県みなべ町晩稲の南部梅林を運営する「紀州南部梅の里観梅協会」(田中康弘会長)は11日、梅林に建立されている梅の先覚者・内中源蔵(1865~1946)の頌徳碑前で第57回供養祭を営んだ。梅林は、新型コロナウイルス感染防止のため昨年に続き開園しておらず、役員だけが参列した。

 内中源蔵は1901(明治34)年、みなべ町熊岡にある扇山を開墾して梅の木を植え、品質を改良するとともに、加工や販売の拡張にも尽力し、南部梅干しの名を全国に広めた。「一目百万、香り十里」といわれる南部梅林ができたのも内中源蔵のおかげで、これらの遺徳をたたえるため、毎年2月11日に「梅祭り」を開いている。

 今年も地元にある光明寺の和田教学住職が読経し、役員10人が順番に頌徳碑に向かって手を合わせた。内中源蔵ら先人の冥福を祈り、梅産地や地域の発展とともに新型コロナの収束を願った。

 あいさつで田中会長は、内中源蔵の偉業に感謝を示した上で「梅産業はいま、気象災害に加え、新型コロナの影響でこれまで経験したことのない状況になっている。源蔵翁が開拓して百有余年、私たち一人一人が力を合わせ問題解決に取り組み、先人が築いた日本一の産地をより発展させ、次世代に引き継いでいかなければならない」と語った。来年は南部梅林が開園できることも願った。

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