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企業や移住者誘致へ みなべの国民宿舎に共有スペース

館内に設けられたコワーキングスペース。窓越しに海が見える(和歌山県みなべ町埴田で)
館内に設けられたコワーキングスペース。窓越しに海が見える(和歌山県みなべ町埴田で)
1カ月単位で貸し出す「サテライトオフィス」も設けられている
1カ月単位で貸し出す「サテライトオフィス」も設けられている
 和歌山県みなべ町は同町埴田にある国民宿舎「紀州路みなべ」の館内に、部屋を共有して仕事をする「コワーキング」などのスペースを設け、1日から貸し出しを始めた。将来的に企業や移住者の誘致につながることが期待される。

 新型コロナウイルスの感染拡大も影響し、働きながら休暇を取る「ワーケーション」、場所や時間にとらわれずに働く「テレワーク」が全国的に注目されている。みなべ町も他府県や町外の人に利用してもらおうと、町営の施設である国民宿舎にコワーキングスペースなどを整備した。

 コワーキングスペースは地下1階のゲームコーナーだった場所を改修して設けた。広さは101平方メートルで、2人掛けテーブル8点と4人掛けソファセット1点を置いている。そのスペースとは別に、打ち合わせや会議、ワークショップ、セミナーなどで使える「ミーティングルーム」(広さ33平方メートル)も備えている。

 コワーキングスペース入り口右手には個室の「ワーキングスペース」(広さ16平方メートル)も整備しており、ウェブ会議などでの利用が便利だという。

 ゲームコーナーの隣にあった倉庫も改修し、テレワークに便利な「サテライトオフィス」(広さ20平方メートル)を設けた。

 いずれのスペースも、無線通信でインターネットに接続するWi―Fi(ワイファイ)環境が整っている。最大の特徴は海を望むことができる眺望の良さで、リラックスできる開放的な空間となっている。

 改修のための事業費は1916万円。国の地方創生テレワーク交付金を活用した。

 町産業課は「国民宿舎は温泉があり、ゆったりくつろげる。周辺では釣りやマリンレジャーも楽しめる。ワーケーションやテレワークでの利用を呼び込むことで、町の関係人口を増やし、企業や移住者の誘致につなげていければと思う」という。国民宿舎の川口秀伸支配人は「地元の人もワークスペースとしてやミーティング、サークルの集まりなどで利用してもらえればと思う。日帰り温泉もいいし、魚料理がメインのランチも楽しんでもらいたい」とアピールする。

■利用料1時間400円 コワーキングスペース

 利用料は、コワーキングスペースが1人当たり1時間400円(宿泊者は無料)、個室のワーキングスペースが同500円。ミーティングルーム(1室)が1時間で500円(別途コワーキングスペースの利用料が必要)。

 サテライトオフィス(1室)は1カ月単位で貸し出し、5万5千円。利用が1カ月に満たない場合は日割り計算。

 問い合わせは紀州路みなべ(0739・72・3939)へ。

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