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身体的、精神的な影響も 和歌山県がヤングケアラー調査

和歌山県庁
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 日常的に家族の世話などをしている子ども「ヤングケアラー」の実態を把握しようと、和歌山県が中学生や高校生にアンケートしたところ、身体的・精神的な負荷を伴う世話を、日常的に担っている子どもが回答者の1%程度いることが分かった。


 県が今後の施策に生かすために初めて調査した。昨年10、11月に県内の中学生と高校生のうち、それぞれ2年生を対象に無記名方式で調査し、91・3%の1万4237人から回答を得た。

 このうち、家族のケアを「現在している」と回答したのが4・4%の626人。

 内訳は、中学生が回答者7309人中344人で割合は4・7%(全国平均5・7%)、全日制高校生は6805人中265人で3・9%(4・1%)、定時制高校生は123人中17人で13・8%(8・5%)だった。

 家族のケアをしている626人のうち、「自分の生活に何らかの影響あり」と答えたのが164人で回答者全体の1・2%いた。

 ケアの頻度について、半数が「ほぼ毎日」と答え「週に3~5日」を含めると7割を占めた。平日のケア時間は1時間未満が最も多く約半数に至ったが、2時間以上も4分の1いた。中には8時間以上という子どももいた。週に3日以上かつ、平日2時間以上ケアしている「より日常的にケアをしている層」は、中学生59人、全日制高校生42人、定時制高校生9人の計110人で、回答者全体の0・8%だった。

 この層に絞って結果をみたところ、自分の生活への影響(複数回答)について「特にない」が約半数だった一方「ストレスを感じている」が22・7%、「体のだるさを感じている」15・5%、「睡眠不足」「家庭で十分勉強できない」「自分の自由な時間がない」もそれぞれ13・6%あった。学校の欠席状況については、「1週間に1回以上」が4・5%で、遅刻や早退についても「1週間に1回以上」が10・9%に上った。

 ケアの対象(複数回答)はきょうだい62・7%、父母34・5%、祖父母15・5%と続いた。その家族の課題(同)は「幼い」が50・0%、「病気を抱えている」16・4%、「高齢(常に介護が必要な状態ではない)」11・8%、「こころの健康問題(うつやひきこもりなど)」9・1%だった。

 ケアの内容(複数回答)は食事の準備や掃除、洗濯などの「家事」69・1%、保育所への送迎などを含む「幼いきょうだいの世話」44・5%などが多かった。入浴、トイレの介助など「身体的なケア」も2割以上、アルバイトなどによる「家計の支援」も1割以上あった。

 これによる悩みを相談したしたことがある人は21・8%で、相手は友人が最も多い58・3%、家族が37・5%、学校の先生20・8%などだった。

■「抱え込まず相談を」 仁坂知事

 結果を踏まえ、仁坂吉伸知事は「(悩みなどを)一人で抱え込むのが一番いけない。先生にどんどん相談し、先生は社会全体で解決できるよう、行政に連絡してほしい。そうすれば、子どもたちを助けることができるのではないか」と話した。

 県は「ヤングケアラー」の支援として、21年度から、学校が生活実態の変化などから該当の生徒を把握し、本人や保護者の同意を得て市町村の福祉サービスにつなげる取り組みをしている。また、本人や家族、学校からの相談窓口を市町村ごとに一本化したほか、手引を関係者に配布した。22年度からは新たに、学校でアンケートや面談も実施し、積極的に実態を把握できるようにしたいとしている。

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