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宇宙コースの教育課程検討 串本古座高、東大やJAXAからも有識者

「宇宙探究コース」の新設に向け、串本古座高校で開かれた「県宇宙教育検討会議」の初会合(和歌山県串本町串本で)
「宇宙探究コース」の新設に向け、串本古座高校で開かれた「県宇宙教育検討会議」の初会合(和歌山県串本町串本で)
 和歌山県教育委員会と串本古座高校(串本町串本)は5月30日、2024年度からの同校への普通科「宇宙探究コース」新設に向け、有識者に依頼して設けた「県宇宙教育検討会議」の初会合を開いた。会議には、東京大学大学院や宇宙航空研究開発機構(JAXA)などから7人が委員として参加。カリキュラムや開設科目などについての検討を始めた。


 宇宙のことを専門的に学ぶ「宇宙探究コース」は、同町内に日本初の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」ができることを機に、地域活性化を目指して新設する計画。公立では全国初の取り組みという。

 第1回の検討会議が同校であり、宮﨑泉県教育長が「委員として参加していただき、非常に心強い。24年度から宇宙探究コースを立ち上げるためにこれからカリキュラムを検討していただくことになるが、22、23年度も総合的な探究の時間で宇宙への関心を高めるような取り組みをしていきたい。日本で初めてのユニークなカリキュラムを作っていただきたい」とあいさつ。

 座長には、衛星工学の第一人者として知られる東大大学院工学系研究科の中須賀真一教授が就任。中須賀教授は「スペースポート紀伊ができ、この町がいよいよ宇宙とつながり、ロケットが打ち上がると世界中から人がやって来るが、射場ができるだけではもったいない。いろんな産業に発展させ、教育や人材育成につなげることが大事。宇宙を勉強するだけでなく、宇宙を題材としてこれから生きていくために必要なことを勉強していただくカリキュラムを作れれば」と意気込みを述べた。

 会議にはこの他、スペースポート紀伊を運営するスペースワン最高顧問の遠藤守・日本宇宙少年団専務理事、JAXAの河本聡美・研究開発部門第二研究ユニット研究領域主幹、宇宙利用事業などに取り組む企業「SpaceBD」の永崎将利代表取締役社長が参加。和歌山大学からも伊東千尋学長と観光学部の尾久土正己教授、教育学部・教職大学院の富田晃彦教授が委員になった。

 この日の議事は非公開で行われ、中須賀教授によると、宇宙教育について各委員の考えを聞いた上で、どういうカリキュラムを作ることが大事かについて意見交換し「カリキュラムにつながるベースの議論がいろいろできた」と説明した。次回の開催は秋ごろを予定しているという。

 会議に出席した榎本貴英校長は「皆さんから熱いご意見を頂くことができてよかった。宇宙は魅力のあるものであり、子どもたちの興味関心を高められる授業にしていきたい。募集要項に載せなくてはならないので、来年の夏までに作っていきたい」と話していた。

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