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盆までに開通させたい 延期の串本町道サンゴ台中央線

国道42号の土砂崩れ発生現場。奥に見えるのが町道サンゴ台中央線(7日、和歌山県串本町潮岬から撮影)
国道42号の土砂崩れ発生現場。奥に見えるのが町道サンゴ台中央線(7日、和歌山県串本町潮岬から撮影)
 和歌山県串本町は7日、高台を通って同町の串本とサンゴ台を結ぶ町道サンゴ台中央線の未供用区間について、盆までには開通させたいとの考えを明らかにした。今月1日の供用開始を予定していたが、同町串本で発生した、町道に隣接する国道42号ののり面の土砂崩れの影響で開通が延期となっている。


 各区長らが出席した会議が7日、同町西向の旧古座分庁舎であり、町建設課の浅利淳課長が説明した。

 サンゴ台中央線は串本小学校(串本町串本)近くの国道42号と接する場所から、切り土するなどして整備した高台を通り、サンゴ台を経て、橋杭小学校(同町串本)そばまでの総延長2814メートル。うち串本小の近くから、サンゴ台に至る延長1242メートルが未供用区間となっている。

 浅利課長は、6月26日に発生した土砂崩れで国道42号が全面通行止めになったことや、その後の復旧作業によって7月1日から片側交互通行になったことなどを説明。「また同じようなことが起こるのではないかという声もあり、(国が)周辺でボーリング調査を行うことを考えておられるようで、その際に隣接しているサンゴ台中央線に土のうや足場などをする必要があるため、供用を見合わせているところ。ボーリング調査が終わって、何とか盆までにはサンゴ台中央線も通していきたいと調整をしている」と、今後の見通しを説明した。


■ロケット発射向け渋滞対策など説明

 この日の会議では、年末ごろを目指している同町田原にできる日本初の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」からの初号機発射に向け、計画している渋滞対策などについて関係者が説明。「ご迷惑をかける部分はあると思うが、打ち上げに向けてご協力をお願いしたい」などと呼びかけた。

 発射場を運営する「スペースワン」(東京都)の川井孝之・企画・営業・渉外本部部長が、超小型衛星を小型ロケットに載せて打ち上げる「宇宙宅配便」を事業化するために同社が2018年に発足したことや、発射施設がほぼ完成していることなどを説明した。

 続いて、県や串本町、那智勝浦町などの関係者でつくる「スペースポート紀伊周辺地域協議会」事務局現地本部の岡野至・県産業技術政策課課長補佐が、経済波及効果を最も大きくしながら交通渋滞を回避するための対策に取り組んでいると説明。

 そのため、見学者については田原海水浴場(串本町)と旧浦神小学校(那智勝浦町)に設ける、完全事前予約制の公式見学場の入場券所持者5千人に限定。それ以外の受け入れはしないことを基本方針とし、それでも現地に来る見学者に対しては、駐停車させない交通規制などで対応すると述べた。

 具体的には、公式見学場の前後1キロの国道42号を駐停車禁止とし、その先2キロも駐車禁止にするほか、赤信号と青信号の時間の比率を従来と変えたり、紀伊大島に車両が流入するのを抑制したりすることを計画しているという。

 このほか、打ち上げが発表される時期について「1カ月半から2カ月前」との見通しを説明したほか、地域への流入量を減らすための取り組みとして「ウェブ配信の他に、リアルで何かできないかと調整している」と述べた。

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