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「八升豆」生産者が交流会 栽培方法など情報交換

八升豆の生産者らが集まった交流会(和歌山県上富田町岩田で)
八升豆の生産者らが集まった交流会(和歌山県上富田町岩田で)
 和歌山県上富田町岩田の岩田河川公園で27日、パーキンソン病に有効とされる機能性成分を多く含む「八升豆(はっしょうまめ)」(ムクナ豆)の生産者らが交流会を開いた。紀南地方で八升豆を栽培している人や、これから栽培を始めたいと考えている人ら約30人が参加し、栽培方法に関する情報を交換したり、先輩生産者からアドバイスをもらったりした。

 八升豆は、インド原産の一年生のつる性植物。生育旺盛で高温乾燥や病害にも強いとされる。種子にパーキンソン病に有効とされる機能性成分「L―dopa(ドパ)」を多く含む。4月ごろから植え付けし、10月から1月ごろにかけて収穫する。

 交流会を開催したのは、八升豆の栽培に取り組む上富田町や白浜町、田辺市などの有志グループ「八升豆の会」(木本眞次代表)と、みなべ町晩稲の梅加工販売会社「紀州ほそ川」(細川達矢社長)。同社は栽培だけでなく、八升豆を使った健康食品の製造、販売にも長年取り組んでいる。

 「八升豆の会」は、有志メンバーが同社から種を譲ってもらい、できた豆は同社に買い取ってもらう計画で栽培に取り組んでいる。交流会は、生産者が集まって栽培に関する情報を交換し、これから栽培を始めたい人も気軽に参加して「先輩」から話を聞ける場を設けようと、今回初めて企画した。

 交流会では、参加者がそれぞれ自己紹介をしたり、現況や苦労したことについて話したりして親交を深めた。木本代表(76)は「八升豆は栽培の手間がかからず育てやすいため、農業の経験がなくても気軽に始めやすい。生産者が増えれば、耕作放棄地の活用にもつながる」と話した。

 種や苗を提供し、できた豆を買い取る契約栽培にも取り組んでいる「紀州ほそ川」によると、県内の八升豆の栽培農家は30戸以上あり、昨季の県内全体の収穫量は約3・3トン。和歌山は全国でも3割ほどの生産量があるという。

 生産者は徐々に増えており、栽培に関する問い合わせも多い。細川社長(36)は「耕作放棄地の活用や、地域の副収入源にもつながる。来年に向けて今も生産者は募集しており、栽培を始めたい人は気軽に問い合わせてもらえたら」と話した。

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