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若手同席で「生の声」も 和歌山県が高校生に企業説明会、人事担当が懸命PR

85事業所がブースを設けた企業説明会(和歌山県田辺市上の山1丁目で)
85事業所がブースを設けた企業説明会(和歌山県田辺市上の山1丁目で)
 和歌山県は26日、田辺市上の山1丁目の田辺スポーツパーク体育館で、就職を希望している紀南の高校3年生の約350人を対象にした企業説明会を開いた。ブースを設けた85事業所の担当者は、手がけている事業を説明したり、特徴をアピールしたりした。若手を同席させて「生の声」を紹介するところもあった。

 高校生の就職は、企業から学校への求人活動が解禁となる7月1日から本格的に始まる。選考開始は9月16日と決まっている。

 県は解禁前に毎年、説明会を開いている。コロナ禍前は和歌山市で開催していたが、2021年度からは会場を分散。今年は田辺会場を皮切りに、4会場で開催を予定している。参加企業は年々増えている。

 説明会に参加した神島高の女子生徒(17)は「県内での事務職を希望しているが、企業の話を聞いて選択肢が増えた。参考にしたい」といい、熊野高の男子生徒(17)は「どの企業からも職場の雰囲気が感じられた。具体的な希望はまだ決まっていないけれど、頑張りたい」と話していた。

■続く「売り手市場」

 県内の高校生の就職を巡っては、ここ数年は求人数が求職者数よりも多い「売り手市場」が続いている。和歌山労働局の統計によると、ハローワークを通じた3月末時点の求人倍率は2・56倍で、過去10年で最高値となった。就職内定率は99・7%だった。

 新型コロナウイルスの影響が落ち着いて企業の採用活動が活発になる一方、求職者数は減少傾向で、労働局は23年度も売り手市場になるとみている。

 26日の説明会でブースを設けた事業所からは、さまざまな声が聞かれた。

 宿泊施設を運営する白浜館(白浜町)の担当者は「予定通りの人数を採用できるかどうか分からない。企業間の競争だけでなく、進学する生徒の割合も多くなっている。まずは一度、現場を見てもらえるといい」と話した。

 県内各地で福祉サービスを提供する社会福祉法人の県福祉事業団(上富田町)の担当者は「福祉業界は特に人材が不足しているといわれる。まずは興味を持ってもらうことが大切で、業界で働く人が一人でも増えたらいいし、その中から選んでもらえたらうれしい」と話していた。

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