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廃校舎の物語(17)大己小学校(すさみ町) きれいな石垣に立つ

在りし日の大己小学校。校舎前に児童が集う
在りし日の大己小学校。校舎前に児童が集う
きれいに積まれた元大己小学校の石垣
きれいに積まれた元大己小学校の石垣
廃校地図・元大己小
廃校地図・元大己小
 すさみ町防己(つづら)の県道沿いに、元の大己(たいき)小学校がある。県内で現存する木造校舎としては最古といわれ、3メートル以上ある石垣の上に立っている。

 大己小は1879(明治12)年、大谷、防己両村が設立し、1文字ずつ取って校名にした。残っている校舎は1903(明治36)年2月に完成。13(大正2)年に増築され、現在の姿になった。

 過疎化で70(昭和45)年3月に閉校した。完成当時、地域で瓦ぶきの家屋はほとんどなく、ハイカラな建物として注目された。今は老朽化が進んで玄関ポーチなどは崩れているが、道路から見える特徴のある木製の窓枠は健在だ。

 佐本地域をはじめ古座街道沿いには石積み文化が根付いている。周辺には石垣でできた棚田もあり、校舎も含め美しい景観を生み出している。

 田辺市秋津町の佐々木和雄さん(74)は小学4年生までこの学校に通った。いまも週2回ほどは、農作業ですさみ町を訪れており、必ずこの校舎を見に行くという。

 「石垣が高くて窓を拭く時は怖かった」「学校のそばを流れる溝の、山からのきれいな水で、牛乳を飲んだ後の食器を洗った」「運動会で縄をなう競技があった」などと教えてくれた。

 趣味の絵画では「すさみの風景」を中心に描いている。今春、同町周参見で開いた展示会には、周辺市町からも地域出身者が訪れた。「大己小学校の校舎が懐かしかったという感想が目立った。ここは土地を離れた人にも『心のふるさと』だと再確認できた」としみじみと語った。

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