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認知症「一人じゃない」 和歌山で当事者や家族、住民ら集い交流する場が各地に

「おおるりふれあい広場」で体操をする参加者たち(和歌山県田辺市本宮町で)
「おおるりふれあい広場」で体操をする参加者たち(和歌山県田辺市本宮町で)
 認知症の人やその家族、地域住民らが集い、交流する催しが、和歌山県紀南の各地で定期的に開かれている。参加者は、同じような悩みを共有したり、予防のために体を動かしたりしている。


 田辺市たきない町の南和歌山医療センターは年に6回、サロン「ひまわりの会」を開いている。市内と周辺町に住む70~80代が中心で、センターでの「もの忘れ外来」の受診をきっかけに参加する人が多い。

 本年度3回目のサロンがこのほどあり、当事者や家族ら15人が参加。グループに分かれて、困り事を話し合った。

 ある一人が「ニュースを見ていても頭に入ってこない」と言うと、周囲は「そうそう」と同調。母親に認知症の症状が見られるようになったという人が「注意しないでおこうと思っても、つい言ってしまう」と話すと、同じグループの人たちは「うちも同じ」「ストレスになるから抱え込んじゃ駄目ですよ」などと助言していた。

 センターの担当者は「横のつながりを通して、悩みは自分だけじゃないと感じてもらえたら」と話す。

 田辺市社会福祉協議会の本宮地区事務所は月1回、同市本宮町本宮の「うらら館」で認知症カフェ「おおるりふれあい広場」を開いている。予防も目的の一つで、参加者は楽しみながら体を動かしている。

 12日にあったカフェには高齢の男女11人が参加。タオルを使った体操をしたり、後出しで負けるじゃんけんに2人一組で挑戦したりした。進行役の職員が「間違っても大丈夫。皆と笑うことが認知症予防につながる」と声をかけ、終始和やかな雰囲気だった。

 毎回参加しているという本宮町本宮の男性(81)は「内容が多彩で、いつも楽しい時間を過ごせている」と話していた。

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