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芦雪の「虎図」「龍図」大阪へ 7日から特別展、和歌山・串本町の無量寺から搬出

特別展で展示される「龍図」を点検する岡田秀之学芸課長(和歌山県串本町串本で)
特別展で展示される「龍図」を点検する岡田秀之学芸課長(和歌山県串本町串本で)
 和歌山県串本町串本の無量寺(東谷洞雲住職)が所蔵する江戸中期の画家、長沢芦雪(1754~99)の作品が、7日から大阪市の大阪中之島美術館で開かれる特別展「生誕270年―長沢芦雪奇想の旅、天才絵師の全貌―」に出展される。1日、同寺で作品の点検や梱包(こんぽう)、運び出しの作業があった。

 芦雪は、1786年に無量寺の和尚に同行して京都から紀南地方を訪れた。約10カ月の滞在期間中に同寺や成就寺(串本町西向)、草堂寺(白浜町富田)、高山寺(田辺市稲成町)でふすま絵を描くなど数多くの作品を残した。

 特別展で展示される約100点のうち、無量寺所蔵の作品は、国の重要文化財に指定されているふすま絵の「虎図」「龍図」や県指定文化財の掛け軸「牡丹雀図」「楊柳観音図」のほか、三幅対の掛け軸「布袋・雀・犬図」の5作品。いずれも無量寺境内にある串本応挙芦雪館やその収蔵庫で保管、展示されている。

 虎図で描かれている虎の尻尾と龍図の龍のひげはそれぞれ対称的に丸まっている。描写力に加えて奇抜な着想や大胆な構図、面白みが芦雪の作品の特徴だという。

 この日、江戸絵画を専門とする福田美術館(京都市)の岡田秀之学芸課長(47)が寺を訪れ、作品をすみずみまで観察して傷や汚れ、しみなどを点検。その後、運送業者が作品を梱包したり、運び出したりした。

 岡田学芸課長は「無量寺の作品は京都から離れた町で温暖な気候、人柄の温かさに触れ、京都では描けなかった大胆さ、おおらかさがあり迫力がある。作品の状態はすごくいい。収蔵庫の中で保存していることが経年劣化のスピードを遅くしている。文化財の保存を兼ねながら拝観もしている優れた施設だと思う」と語った。

 東谷住職は「状態がいいと聞いてほっとした。メインの絵として展示されるので楽しみにしている。芦雪の作品が一堂に集まる機会はあまりない。足を延ばして見てほしい」と話している。

 特別展は12月3日まで。観覧料は大人1800円(高校生、大学生は1100円、小中学生は500円)。

 無量寺所蔵の作品は来年2月6日~3月31日、福岡県太宰府市である特別展でも展示される予定。

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