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3地区3千人が避難 みなべで防災訓練

自衛隊員から出来たての豚汁を受け取る住民ら(3日、和歌山県みなべ町埴田で)
自衛隊員から出来たての豚汁を受け取る住民ら(3日、和歌山県みなべ町埴田で)
 津波防災の日(11月5日)を前に、和歌山県みなべ町内の南部、岩代、上南部の3地区で3日、大地震と津波を想定した防災訓練があった。住民約3千人が高台に避難し、炊き出しなどをして防災意識を高めた。

 3地区の22自主防災会と、みなべ町自主防災会連絡協議会が実施した。後方支援で地元消防団と同町や、今回初めて陸上自衛隊信太山駐屯地第37普通科連隊が参加した。

 午前8時、県南方沖でマグニチュード8・7の地震があり、県全域に強い揺れと大津波警報が発表されたと想定し、防災放送で呼び掛けた。参加者は、姿勢を低くして頭を守り動かない行動を取った後、津波浸水想定時間までに避難場所の高台に逃げた。要支援者の避難支援や訓練参加者の名簿も作成した。各地区の参加者数は南部1570人、岩代345人、上南部1373人だった。

 みなべ町埴田では、高台のグラウンドに避難した住民に自衛隊員が300人分の豚汁を提供。遠藤幸宏小隊長(47)は「訓練を通じて自衛隊の活動を知ってもらい、万一の時はスムーズに協力できるようにしたい」と語った。

 埴田区の森下秀夫さん(58)によると、埴田の自主防災会女性部員らがまきやガスを燃料に炊飯して梅、ゴマ、ふりかけの3種類のおにぎり120個を作り地元産の目刺しを炭火で焼いた。

 女性部メンバーの中嶋久味さん(42)は「先輩からいろいろと教わり、食事の段取りなども分かった。いざという時にこの体験を生かしたい」、埴田の萩野幸一区長(60)は「訓練を重ねて準備を万全にしていきたい」と話した。

 みなべ町東吉田では、住民が鎌田池公園に避難。東吉田長寿会と同公園で花を育てている花の会の高齢者が手伝い、まきで梅を入れた米6升を炊いた。参加者に1個ずつおにぎりと容器入りの保存水を手渡した。訓練後に子どもたちに菓子を配った。

 まきの火加減は難しいが、高齢者の知恵と経験が生かされたという。堀口淳一区長(65)は「避難は早くて皆さんの協力がありがたい。今後も訓練をしていく」と話した。

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