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保護者へ子どもの引き渡し訓練 地震津波想定し南部幼稚園

避難場所まで迎えに来た保護者に園児を引き渡す幼稚園職員(和歌山県みなべ町芝で)
避難場所まで迎えに来た保護者に園児を引き渡す幼稚園職員(和歌山県みなべ町芝で)
 和歌山県みなべ町芝の南部幼稚園は13日、地震津波訓練で初めて、避難場所に着いた子どもを保護者に迎えに来てもらう引き渡し訓練をした。保護者からは「子どもが避難している場所や経路を確認することができたので安心した」という声があった。

 同園は南部海岸近くにあり、2カ月に1回くらい、地震津波を想定して南部高校への避難訓練をしている。同校(3号館3階以上)は町の避難場所になっており、地元区民も避難することを想定し、町の備蓄物資を置いている。

 午後、園庭で子どもたちが遊んでいる最中に地震が発生したと想定。園庭の真ん中に集まってしばらくしてから、職員や41人の園児が手をつなぎ、息を切らせて走った。10分ほどで、同校3号館4階の教室(地上高約12メートル)に避難が完了。保護者に「全員無事避難完了しました」とメールを一斉送信した。

 保護者はメールを受信後、3~30分で迎えに来て、職員が一人一人確認しながら、引き渡した。保護者は「避難場所が思ったよりも高いと感じたので安心した」「一度こういう訓練をしてみたいと思っていた。家からどういう経路で、どれくらいかかるのか分かったのでよかった」という声があった。

 また「訓練だけれど、津波を意識した下の子どもが怖がり、抱っこしなければならず、少し時間がかかった。小さい子どもを連れて逃げるのは大変だと感じた。より本番に近い形で訓練できてよかった」「今日は家から走って3分で来られたけれど、地震が起こった時、どこにいるか分からないのが不安。家族にも伝えているが、家族も町外にいるかもしれない」と心配する人もいた。

 森本里美園長は「保護者の協力があり、スムーズに訓練ができたし、場所を確認してもらえたのはよかったと思う。今後も年1回は引き渡しの訓練をしていきたい」と話した。

 同町東吉田にある南部保育所は年2回、引き渡し訓練をしており、今月27日にも予定している。

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