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暖冬で梅のつぼみ膨らみ早く 不作心配の声も、全国一の産地・和歌山

開いた花が多い枝もある梅の木(10日、和歌山県田辺市下三栖で)
開いた花が多い枝もある梅の木(10日、和歌山県田辺市下三栖で)
 暖冬の影響から、和歌山県紀南地方では特産の梅のつぼみの膨らみ具合が例年に比べて早く進み、ちらほらと開花している枝が見られる。そのため、授粉を助けるために置くミツバチの巣箱の導入を前倒しする予定の地域もある。農家からは「開花した後に寒波が来ると不作になる恐れがある」と心配の声も出ている。


 田辺市下三栖の農家男性(47)によると、自分の畑でも何輪か咲いている花がある。平年と比べて10日から2週間くらい早いのではないかという。

 農家男性は「授粉用のミツバチの巣箱をまだ置いていない状態で開花したり、寒波が来てハチが飛ばなかったりなどして、受粉がうまくいかずに不作にならないか心配。また、実がなってからの霜の被害も気になる」と話す。

 同市上芳養の農家男性(41)も「つぼみが例年のこの時季より大きく膨らんでいる。これまでにも、早く花が咲いて2月に寒くなってハチが飛ばずに不作になった年があったので、心配だ」と話した。

 花の時期、農家の中には安定して実がなるようにと、養蜂業者からセイヨウミツバチの巣箱を借りて畑に置く人もいるが、つぼみの膨らみが早い状況を受け、巣箱の導入時期を早める動きもある。

 JA紀南では、地区によって指導担当が農家の希望を取りまとめ、養蜂業者からの巣箱の貸し出しの手配をしている。中央営農経済センターによると、今季は、業者に前倒しで持ってきてもらうよう依頼し、昨年より10日くらい早い、今月下旬ごろを予定しているという。

 県うめ研究所(みなべ町東本庄)が開発している梅の開花予測プログラムによると、東本庄地域の南高の開花始め(2割開花)は今月22日、満開(8割開花)は30日と予測。ほぼ平年並みだった昨年の実際の開花状況と比べると2~3週間早い。

 開花が早まっているのは11月や12月の気温が高かったことなどが影響しているとみている。研究所で観測した気温は平年と比べて、11月の最高気温の平均が2・7度、12月は平均気温が上旬で1・4度、中旬で3・2度高かったという。

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