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災害時に段ボールベッド供給 上富田町が「紙の杜」と協定、和歌山

協定を結んだ上富田町の奥田誠町長(右)と「紙の杜」の澤田直哉社長=和歌山県上富田町朝来で
協定を結んだ上富田町の奥田誠町長(右)と「紙の杜」の澤田直哉社長=和歌山県上富田町朝来で
 和歌山県上富田町はこのほど、県内各地で古紙などのリサイクルステーションを運営する「紙の杜」(本社・海南市)と災害時の協定を結んだ。災害が発生した際、町の要請により段ボールベッドや間仕切りを避難所に供給してもらう。

 古紙のリサイクルに取り組む「紙の杜」では、県内85カ所、大阪府や奈良県の27カ所でステーションを運営している。上富田町では今月、市ノ瀬に3カ所目のステーションを開設した。従業員や地域住民の安全を守りたいという思いから協定の締結を決めた。自治体と同様の協定を結ぶのは初めてという。

 段ボールベッドの大きさは、長さ1・9メートル、幅1メートル。並べた箱の上に厚さ9ミリの段ボールシートを敷くことでクッション性を確保している。災害時には、シートや囲いなどは紀の川市にある同社の工場で、箱は和歌山市の提携企業で製造でき次第、各避難所に行き渡るよう上富田町に運ぶ。高さ1・5~1・8メートルの段ボール製の間仕切りも供給する。

 26日に町役場で協定の調印式があり、奥田誠町長は「大変うれしく、心強く感じている。大規模災害時には、災害関連死の発生も問題になっている。避難生活の質を上げることで、避難者の健康維持に資すると考えている」と語り、感謝を述べた。

 「紙の杜」の澤田直哉社長は「従業員や地域住民の安全面をどうやって高めていくか、そのために何ができるのかを、考える機会が増えた。微力ながら精いっぱい、町のサポートをしていきたい」と話した。

 上富田町によると、段ボールベッドの供給に関する協定は今回で2件目。町内では各小学校や役場に計50セットの段ボールベッドを備蓄しているという。

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