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耕作放棄地の梅伐採 本格事業へ梅郷クラブ試行

耕作放棄地の梅を伐採するみなべ梅郷クラブメンバー(16日、和歌山県みなべ町東本庄で)
耕作放棄地の梅を伐採するみなべ梅郷クラブメンバー(16日、和歌山県みなべ町東本庄で)
 耕作放棄地の木の伐採を、有償で請け負う事業に来年度から取り組むことを目指し、和歌山県みなべ町の農業青年でつくる4Hクラブ「みなべ梅郷クラブ」のプロジェクトチームが16日、試行的に町内2カ所の園地で梅の木の伐採作業をした。そのうち1カ所には、来年2月、備長炭の原木であるウバメガシの苗木を植える予定にしている。

 高齢化や担い手不足などから増えている放棄地は、病害虫や獣害などで周囲に影響を及ぼすこともあり、クラブはできる対策がないかと考えた。

 耕作放棄地の現状や、有償で耕作放棄地の梅の木を切る作業の需要を把握するため、アンケートを取ったところ、耕作放棄地がある人のうち木の伐採をできている人の割合は少なかった。理由としては「労働力がない」「手に負えない」などが挙げられ、切りたくても切れない現状があることも分かった。

 請負事業は来年度、本格的に始められればと考えており、同日の伐採作業は、どれくらいの人手や時間が必要かなどをみる目的もあり、無償で実施した。

 クラブのメンバー13人が出て、町内の東本庄と東神野川地区にある梅畑の耕作放棄地で、梅の伐採作業をした。東本庄の畑では、木が覆われるほど雑草が生い茂り、メンバーがチェーンソーや草刈り機を手に木を切り倒したり、草を刈ったりした。園主は「自分だけでは手に負えなかったので、こうした取り組みはありがたい」と話した。

 メンバーは2組に分かれて、各地区の畑で作業をしたが、同日中に終わらない部分もあり、後日引き続き作業をすることになった。

 クラブ員でプロジェクトチーム担当の山本宗一郎さんは「実際に作業してみると、思っていた以上に重労働だと感じた。一日でしようとしたのでメンバーへの負担もかかった。他にもメンバーはいて人手はあるので、今回の経験も踏まえて検討し、事業化を目指したい」と話した。

 梅を伐採してウバメガシを植える場合は、地主と相談し、隣接する梅畑がなく、木を植えても支障にならない場所を選ぶ。ウバメガシの植樹には、みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会の補助金を活用する。

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