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「里帰り分娩」休止 紀南病院、態勢整わず

4月から里帰り分娩を休止する紀南病院(和歌山県田辺市新庄町で)
4月から里帰り分娩を休止する紀南病院(和歌山県田辺市新庄町で)
 紀南病院(和歌山県田辺市新庄町)は4月から「里帰り分娩」の受け入れを休止する。産婦人科の受け入れ態勢が整わないためという。里帰り分娩は全体の約3割を占めている。紀南病院は「態勢を再構築し、早期の再開を目指したい」と話している。

 産婦人科医は現在5人で、4月以降も変わらないが、3人が交代し、1人が体調不良を抱える。胎児エコーなどを担当する臨床検査技師の人員も不足しているという。

 紀南病院は「地域周産期母子医療センター」として、母体、胎児、新生児の急患に24時間態勢で対応する紀南で唯一の医療機関。「医療圏の分娩やセンターでの対応に支障を来さないため、里帰り分娩を休止せざるを得ない」と話している。

 里帰り分娩は、予定日の6週間前に紹介状持参で来院する。同病院によると、2018年度の分娩件数は685件。うち、里帰り分娩は県外152件(約22%)、印南町以北の県内63件(約9%)あった。

 里帰り分娩の休止は、紀南病院ホームページで広報するとともに、過去に里帰り分娩の紹介があった全国の病院や助産院など133機関にも案内を発送する。

 紀南病院の分娩件数は14年度が813件、15年度804件、16年度771件、17年度742件と年々減少している。19年度は10月末現在365件となっている。

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