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カブトガニの赤ちゃんかわいい すさみ町の水族館で展示

ふ化後3日のアメリカカブトガニの赤ちゃん。三葉虫幼生とも呼ばれる
ふ化後3日のアメリカカブトガニの赤ちゃん。三葉虫幼生とも呼ばれる
アメリカカブトガニの幼生の展示スペース(和歌山県すさみ町江住で)
アメリカカブトガニの幼生の展示スペース(和歌山県すさみ町江住で)
 和歌山県すさみ町江住の町立エビとカニの水族館で、生きている化石といわれるアメリカカブトガニが産卵し、初めてふ化した。ふ化直後の幼生(体長約3ミリ)を展示しており、平井厚志館長は「この段階の幼生を見られるのは全国的にも珍しい」と来館を呼び掛けている。

 同水族館では約20年、アメリカカブトガニを常設展示している。これまで3回産卵を確認しているが、ふ化したのは今回が初めて。全国の水族館でも繁殖例は少なく、ふ化直後の幼生を観察できる機会はほとんどないという。形が三葉虫に似ていることから「三葉虫幼生」とも呼ばれる。

 平井館長によると、1月23日に水槽が白く濁った。24日に清掃したところ、底の砂利に直径3ミリほどの卵が交じっているのに気付いた。その卵を回収して飼育、2月9日にふ化を確認した。20日現在、約60匹の幼生を確保しており、成長の過程を楽しめるようにしたいという。

 展示スペースでは、幼生と卵を2基の小型水槽で展示し、顕微鏡で撮影した卵の中で動く様子やふ化する瞬間をモニターで見ることができる。また、近くで10年以上飼育している成体(甲羅径約30センチ)と生後5年の小さな個体(約8センチ)も展示しており、一緒に観察できる。


 アメリカカブトガニ

 カブトガニの仲間は2億年前から姿を変えていないといわれている。世界で確認されている4種の中で唯一、大西洋に生息している。血液は医療分野で利用されている。ふ化後、16~17回の脱皮をしながら、10年ほどで成熟する。寿命は20年ほどと考えられている。
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