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新型肺炎で家族の面会制限も 対応追われる高齢者施設

施設入り口に設置した面会自粛の協力を呼び掛ける張り紙(27日、和歌山県田辺市神島台で)
施設入り口に設置した面会自粛の協力を呼び掛ける張り紙(27日、和歌山県田辺市神島台で)
 新型コロナウイルスの集団感染を防ぐため、厚生労働省は24日、老人ホームなど社会福祉施設での家族らの面会制限などを求める事務連絡を自治体に出した。感染した場合に重症化するリスクが高い高齢者を守ろうと、和歌山県紀南地方の各施設も対応に追われている。

 事務連絡では、社会福祉施設での面会は「可能な限り、緊急やむを得ない場合を除き制限することが望ましい」としている。面会者に発熱が認められる場合は、面会を断ることも求めている。

 田辺市神島台の特別養護老人ホーム「真珠苑」は24日午後以降、面会は極力断っている。面会する場合は、マスクの着用と手指のアルコール消毒を求めている。複数のベッドがある大部屋の入居者とは、面会用の別室で本人とのみ会うように対応している。

 同施設は「100歳を超える入居者もいる。みとりなど緊急の事態もあり、実情に応じて判断している。毎日訪れる家族もおり、早く事態が落ち着いてほしい」と話す。

 同市本宮町下湯川のグループホーム「下湯川苑」は、26日から3月9日までの面会を禁止にした。隣接する「四村川高齢者支援ハウス」も同様の対応にしている。入居者の家族には郵送で知らせ、普段からよく訪れる友人らには電話で連絡している。

 職員には人の集まる場所へ行くことはできるだけ避け、マスク着用やアルコール消毒を普段以上に徹底するよう伝えているという。

 施設管理者の中岸賢大さん(36)は「すごく責任が重い。春には遠足があり、入居者も楽しみにしている。早く収束してほしい」と話した。

 厚労省は26日、通所のデイサービスなどの事業でも感染防止策を強化するよう求める新たな事務連絡を出した。

 同市芳養松原1丁目の特別養護老人ホーム「田辺の郷」のデイサービス事業では、27日から利用者に検温の協力を求め、37度5分以上ある場合は、利用を断るようにしている。

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