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クルーズ船の寄港1隻だけ 新型コロナで12隻キャンセル

和歌山県の新宮港に寄港したクルーズ客船(2018年撮影)
和歌山県の新宮港に寄港したクルーズ客船(2018年撮影)
クルーズ船 和歌山県内寄港実績
クルーズ船 和歌山県内寄港実績
 和歌山県が誘致に取り組んでいるクルーズ船の県内寄港について、2020年度は12隻がキャンセルとなり、今のところ予定は1隻しかないことが分かった。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、世界的に船会社のツアー中止が相次いでいるため。県は今後、安全策が確立されれば、誘致に力を入れていきたいとしている。

 20年度の寄港予定は当初、新宮港に10隻、和歌山下津港に3隻の計13隻だったが、5月から10月までの12隻について、県にツアー中止の連絡があった。中には大型船もあり、経済的な損失は小さくないという。今後、数隻の予定が入る可能性があるが、今のところは、11月21日に新宮港に寄港予定の「飛鳥Ⅱ」だけとなっている。

 県は寄港地などでの経済活性化が見込めるとし、寄港実績を24年度に30隻にすることを目標に、誘致に取り組んでいる。その成果もあり、12年度までは1桁だったが、13年度(13隻)から2桁になった。14年度に10隻に減ったが、それ以降は15年度11隻、16年度13隻、17年度16隻、18年度17隻と右肩上がりに増加した。19年度も17隻の予定があったが、10月までの3隻が悪天候で、3月の2隻が新型コロナの影響で中止となり、実績は12隻となった。

 県は20年度、誘致を強化しようと、船会社などへの経費支援制度を拡充。クルーズ船の入港料や岸壁使用料などを免除するほか、5万トン以上の船舶を利用する場合は日高港は50万円、新宮港は100万円を助成することなどを決めている。

 また、大型化するクルーズ船に対応するため、県や国は港の整備工事を進め、19年度までに完了。新宮港は11万トン級、日高港は5万トン級、和歌山下津港は16万トン級まで受け入れ可能にしている。各港では地元団体などが歓迎イベントを開くなどして、もてなしてきたのも好評だという。

 県は「国際的な業界団体の自粛などで、世界的に運航がストップしていて状況は厳しい。今後は、国と協力しながら船会社などと協議し、不安を払拭(ふっしょく)できるような寄港時の安全対策などを確立した上で、再び誘致に力を入れていきたい」としている。

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