和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

朝来小児童のバス利用再開へ 上富田町、人数制限など対策

町内を中心に運行するコミュニティーバス。朝の登校時には別の青色の大型バスも運行する(和歌山県上富田町朝来で)
町内を中心に運行するコミュニティーバス。朝の登校時には別の青色の大型バスも運行する(和歌山県上富田町朝来で)
 和歌山県上富田町は30日から、南紀の台などから朝来小学校に通う児童のコミュニティーバス利用を、人数制限などの対策をして再開する。利用する児童は、事前のアンケートで「家庭で送迎ができず毎日利用したい」と答えた37人。送迎に苦労していた保護者らは、ひとまずはほっとしている。

 朝来小学校まで1・8キロ以上離れている南紀の台や田辺市新庄町との隣接地の児童が、通学でコミュニティーバスを利用している。しかし、学校が6月に再開された後もバスの中での新型コロナウイルス感染防止の観点から「3密(密閉、密集、密接)」を避けるため、町教育委員会は、保護者による送迎が難しいなどの児童を除き、バスの利用を控えるよう呼び掛け、同時に朝の登校時に追加しているバス2台の運行をやめた。

 このため、南紀の台とパブリック町内会の保護者らが7月初め、町教委に児童のバス利用再開を要望。その後の協議で、お互いに協力し、密にならないよう人数制限するなどの対策を講じるとともに、許可申請を前提にして再開を目指すことでまとまった。バス利用希望者などを確認するアンケートは、南紀の台とパブリック町内会が1~4年生123人を対象に世帯別(99世帯)に実施した。

 毎日のバス乗車を希望したのは62人だった。密を避けるには、乗車人数を大型バス2台でも計50人までに抑える必要があることから、再度「家庭の都合でどうしても送迎ができない人」として、申請を出してもらった結果、利用希望者は37人まで減った。

 アンケートでは、時々の乗車希望は35人だった。「バスの利用再開を希望しますか」の質問には、72%の世帯が希望すると答えた。「どちらでもよい」は22%、「中止のままでよい」は6%だった。

 30日からの再開に際し、町教委は家庭で検温・健康チェックカードに記入し、乗車時には手指の消毒をするほか、マスク着用やせきエチケットを徹底するよう、保護者らに呼び掛けた。同時に感染リスクを認識した上で「保護者の責任において乗車させる」などと明記した承諾書を付けて許可申請をしてもらった。

 このほか、保護者らは朝の乗車時に交代でバス停留所3カ所に出向き、児童のカードを確認したり、体調を観察したりして対策を続ける。

 南紀の台とパブリック町内会は「保護者の要望もあり、制限してではあるが、なんとか再開してもらえるようになり良かった。今後、状況が良くなれば利用できる人を増やしてもらえればと思う」と話している。

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