和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年10月07日(月)

橋杭岩前にホテル開業 串本町、地域活性化に期待

リボンカットでホテルの開業を祝う関係者(和歌山県串本町くじの川で)
リボンカットでホテルの開業を祝う関係者(和歌山県串本町くじの川で)
海側の部屋の窓から見える橋杭岩と紀伊大島(串本町くじの川で)
海側の部屋の窓から見える橋杭岩と紀伊大島(串本町くじの川で)
 和歌山県串本町くじの川にある道の駅「くしもと橋杭岩」近くで14日、地域活性化を目的にした新しい形のホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット・和歌山串本」が開業した。同日、オープニングセレモニーがあり、関係者がリボンカットなどで祝った。

 世界でホテルを運営する「マリオット・インターナショナル」(米国)と住宅メーカー大手「積水ハウス」(大阪市)が進めている全国の道の駅を拠点にした地方活性化事業の一環。この日開業したホテルは国道42号沿いにあり、鉄筋7階建てで90部屋ある。海側の部屋の窓からは国の名勝・天然記念物「橋杭岩」や紀伊大島が見える。

 同事業では自動車やバイク、自転車、公共交通機関などで各地を巡る「地域の知られざる魅力を渡り歩く旅」を提案。レストランや土産物販売コーナーを設けない「宿泊特化型」のホテルを建設し、食事や土産物は、道の駅や地域の店舗の利用を促すことで、地方創生や地域活性化を後押ししている。

 「フェアフィールド・バイ・マリオット」ブランドのホテルは2018年11月から事業を開始。20年10月から全国各地で開業しており、現在、25道府県の自治体と38社のパートナー企業とともに事業連携を進めている。串本町は県内初開業で、6月9日にはすさみ町江住の道の駅「すさみ」近くに「フェアフィールド・バイ・マリオット・和歌山すさみ」(7階建て、90部屋)が開業を予定している。

 串本町では、本年度中に町内からロケットが打ち上げられる予定で、高速道路の建設が進むなど、今後の観光客の増加が見込まれている。

 セレモニーで積水ハウスの仲井嘉浩社長は「できるだけ地元にお金を落としてもらい、地域経済の活性化に貢献したい」と言い、マリオット・インターナショナルのカールハドソン日本&グアム担当エリアヴァイスプレジデントは「世界に串本の名前を知ってもらうことができると思う。ポンカン、カツオなどの食べ物や大辺路などの見どころもたくさんあるので、海外からも多くの観光客が訪れると自信を持っている」と述べた。

 来賓の清野武志副町長は「串本の新しい観光拠点になるものと確信している」と言い、南紀串本観光協会の島野利之会長は「このホテルを拠点に紀南地方をゆっくりと回ってもらいたい」と期待した。