和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年12月01日(水)

湿田で朝露まとう「宝石」 古座川町でハッチョウトンボ羽化

朝露をまとったハッチョウトンボの雄(10日午前6時51分、和歌山県古座川町直見で)
朝露をまとったハッチョウトンボの雄(10日午前6時51分、和歌山県古座川町直見で)
 世界で最も小さいトンボの一つとして知られる「ハッチョウトンボ」が、和歌山県古座川町直見にある大谷湿田で羽化している。10日早朝には湿田にある木道から4匹を確認でき、撮影に訪れていた、すさみ町の写真愛好者の男性(58)を「朝露をまとった姿が宝石のよう」と魅了。町教育委員会によると、例年7月下旬ごろまで見ることができる。


 大きさは約2センチ。雄は赤色、雌は黄褐色と黒色のまだら模様をしている。ネパールやインド、インドネシアなどの東南アジア諸国から南半球のオーストラリアにかけての広い範囲に分布し、日本は北限分布地に当たる。

 県のレッドデータブックでは「県北部―南部の山寄りに生息地が点在していたが、近年以降は県南部以外では姿が見られなくなっている。生息地も休耕田がほとんどで不安定である」として、準絶滅危惧に分類している。

 大谷湿田では1992年に大量に発見され、2000年に町の天然記念物に指定して保護。一方で、囲っている網を破るなどして湿田内に侵入する人もいることから、町教委は「湿田には立ち入らず優しく見守ってほしい」と呼び掛けている。