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2024年10月08日(火)

【動画】大たいまつ燃え盛る 熊野那智大社で扇祭り

燃え盛る大たいまつを持ち、扇みこしなどとともに参道を練り歩く男たち(14日、和歌山県那智勝浦町那智山で)
燃え盛る大たいまつを持ち、扇みこしなどとともに参道を練り歩く男たち(14日、和歌山県那智勝浦町那智山で)
境内に設けた舞台で奉納された「那智の田楽」(13日、那智勝浦町那智山で)
境内に設けた舞台で奉納された「那智の田楽」(13日、那智勝浦町那智山で)
 和歌山県那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)で14日、例大祭「那智の扇祭り」(重要無形民俗文化財)があった。新型コロナウイルスの感染防止のため、昨年に続き規模を縮小。2体ずつに減らした、扇みこしと燃え盛る大たいまつと一緒に、「辛櫃(からひつ)」に御神霊を納めて渡御をした。


 那智大社によると、那智の扇祭りはもともと那智の滝付近で祭られていた神々が年に1度、12体の扇みこしに乗って、大社から那智の滝に里帰りをし神威を新たにするという神事。

 この日は午前9時から、神職や役員ら関係者約50人が参列して、大社の拝殿で本社大前の儀を執り行った。その後、滝の近くにある別宮・飛瀧神社へと向かう渡御祭を営んだ。

 小雨の中、燃え盛る2体の大たいまつを抱えた白装束の男たちが真剣な面持ちで「ハーリャ、ハーリャ」と威勢良く掛け声を上げながら、「辛櫃」と扇みこしとともに、別宮の参道を練り歩いた。別宮に到着した後は、ごうごうと音を立てて流れる滝の前で神事を営み、大社へと戻った。

 前日の宵宮では、昨年中止となった国の重要無形民俗文化財でユネスコ無形文化遺産の伝統芸能「那智の田楽」が奉納された。

 鮮やかな衣装を着た保存会のメンバーが、木片をひもでつなげた楽器「ササラ」や腰太鼓を使い、かがり火がたかれた境内で幻想的な舞を披露した。

 この田楽は約600年前に京都から伝わったとされる。明治政府の神仏分離令で、担い手の社僧が那智山を離れたために途絶えたが、1921年秋、技芸をまとめた「田楽要録」を基に地元住民が復興させてから、今年は100年の節目だった。