和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年04月26日(金)

防災テーマに学習成果発表 田辺市龍神村の中山路小

地元であった大規模な土砂災害を紙芝居にまとめて発表する児童(和歌山県田辺市龍神村柳瀬で)
地元であった大規模な土砂災害を紙芝居にまとめて発表する児童(和歌山県田辺市龍神村柳瀬で)
 和歌山県田辺市龍神村柳瀬の中山路小学校は28日、同校体育館で学習発表会を開いた。5・6年生11人は、1889(明治22)年にあった明治大水害で地元でも大きな被害があったことを紙芝居にして紹介。訪れた保護者らに災害時の素早い避難を呼び掛けた。

 1年間学んだ勉強の成果を見せる恒例の発表会。新型コロナウイルス感染症対策で、群読や全体での歌の発表は取りやめた。

 5・6年生は、明治大水害について調べた内容を紙芝居(縦27センチ、横38センチ)にして発表した。

 児童は、大規模な深層崩壊があった柳瀬の現場を県土砂災害啓発センター(那智勝浦町)の坂口隆紀所長(53)の案内で見学したり、「龍神村誌」で当時の様子を調べたりした。6年生は修学旅行で同センターを訪れ、土砂災害について学習した。

 紙芝居では、土砂災害発生当時に家や人が流された様子を再現。上演後、被害状況や発生原因などについてスライドで説明し、明治大水害と紀伊半島大水害の際は、台風のコースがほぼ同じだったことも紹介して、気象情報を事前に得て避難に役立てるように呼び掛けた。

 また、龍神村の高齢化率が43%であることを調べ、高齢者は早く歩くことが困難なことを以前の授業で体験していたので、高齢者に対して事前の避難を強く勧めた。迷わず逃げるという初めの一歩が大事だと述べた。

 発表を見に訪れた同センターの坂口所長は「紙芝居にして、児童や保護者らに分かりやすく呼び掛けていてよかった。高齢者の避難についても触れ、地元の人にも伝わったと思う」と話した。

 1・2年生は、国語で習った「おむすびころりん」の劇を披露。3・4年生は歌、合奏の他、森林学習のまとめを発表したり、龍神村にある護摩壇山の木の種類や森林組合の仕事などを紹介したりした。