和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年04月26日(金)

「新型コロナと国づくり」

 先日、1年ぶりに知人宅を訪問して驚いた。庭に鉄塔のようなアンテナが建っていたのだ。コロナ禍で自宅で過ごす時間が増え、半世紀ほど前の中高生時代に熱中したアマチュア無線への情熱が再燃。無線機を新調し、自分でアンテナを建てたという▼この2年は新型コロナで明け暮れた。私もまた、メールで連絡を取り合っている友人らと会う機会は減った。そんな時期だからこそ、インターネットを通じて多くの人とつながっている知人は、ひと味違ったつながりが持てるアマチュア無線を改めて魅力に感じたのだろう▼コロナ禍の影響で、私たちの生活様式は一変した。「マスク着用、手指消毒、三密回避」が常識になり、外食の機会も極端に減った。それでも、感染は周期的に拡大した。社会活動や経済活動が制限され、日常生活にも息苦しさを覚える▼もちろん、こうした制限が社会活動や経済活動に及ぼす影響をより少なくするための取り組みは、それぞれの現場で懸命に続けられている。国や自治体の取り組みも1年前、2年前とは大違いである。社会の在り方も大きく変わろうとしている▼新しい年は、こうした変化への対応が欠かせない。将来を見据え、医療体制や社会保障制度は大丈夫か。環境対策や産業振興はどうするのか。各国の立ち位置、実力のほどが浮き彫りになったからこそ、なすべきことは多い▼今年は寅年。トラのように力強く歩みたい。(沖)