和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2022年06月25日(土)

独立リーグ現役10年 和歌山FBの生島大輔選手

自主トレーニングに励む和歌山FBの生島大輔選手。長女の怜和(さと)さん(右)に会えるのは年2回程度という=和歌山県田辺市内で
自主トレーニングに励む和歌山FBの生島大輔選手。長女の怜和(さと)さん(右)に会えるのは年2回程度という=和歌山県田辺市内で
 安定した生活を捨て、野球の独立リーグに身を投じて10年。和歌山県田辺・西牟婁を拠点とする和歌山ファイティングバーズ(FB)の生島大輔選手(35)は、今季もコーチ兼任で現役を続ける。昨季は打率3割9分3厘でさわかみ関西独立リーグの首位打者になり、MVPを獲得したが「満足はしていない。一日一日を全力でプレーするだけ」と、この一年に懸ける。

 奈良県大和郡山市出身。球歴は輝かしく、大阪桐蔭高校では主将を務め、2004年春の甲子園では東北高のダルビッシュ有投手と対戦した。早稲田大学では春秋に行われる東京六大学リーグで5度の優勝を経験した。09年に社会人の強豪JR東日本に入った。

 転機は社会人3年目の11年。「もっと厳しい環境でプレーしたい」と、周囲の反対を押し切って関東や北信越を拠点とする独立リーグ「ルートインBCリーグ」へ。富山、福島の2球団でプレーしたが、当時はリーグに年齢制限があったため、17年から関西独立リーグに活躍の場を求めた。兵庫ブルーサンダーズで1年間プレーした後、18年に和歌山FBへ移った。

 小学1年生で野球を始めた時から、野球選手になることを固く誓った。「その気持ちは今も変わらない。あの時の自分にうそをつきたくない」と、プレーを続ける。

 昨季は主に4番打者を任され、シーズン途中まで4割を超える高打率を記録したが「野球をしていた実感がないシーズンだった」と振り返る。選手やスタッフが少ない中でコーチや裏方の仕事に追われ、万全の状態で試合に臨めることが少なかったからだ。

 球団からはコーチ手当が出ているが、生活は苦しい。富山に妻子を残して田辺市内で一人暮らしをしながら、地元で梅やミカンを生産する農家の手伝いや塗装業などのアルバイトを掛け持ちしている。

 独立リーグからプロ野球(NPB)に進むのは極めて厳しい。それでも「過去の自分ではなく、和歌山FBの生島大輔で勝負したい」と、夢を追い続ける。