和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2022年07月05日(火)

安価で成分安定 脱水汚泥の肥料販売

再創社が製造販売する脱水汚泥を活用した肥料「りそうの肥料」(和歌山県みなべ町東本庄で)
再創社が製造販売する脱水汚泥を活用した肥料「りそうの肥料」(和歌山県みなべ町東本庄で)
ペレットになっているため扱いやすいという
ペレットになっているため扱いやすいという
 和歌山県みなべ町芝の「再創(りそう)社」(西山孝三代表)は、下水処理場の脱水汚泥を活用して製造した堆肥「りそうの肥料」を販売している。環境に優しい有機肥料で、成分の安定や安価をアピールする。

 同社は、みなべ町や田辺市、上富田町、白浜町の清掃関連11社で2019年春に設立した。下水処理場の脱水汚泥を堆肥化する会社として、県内では紀の川市にある2社に続いて3社目だという。

 みなべ町東本庄の元「うめ21研究センター」の敷地や施設を町から借り、堆肥製造のための「みなべコンポストセンター」を整備。20年5月から稼働し、製造した堆肥は成分分析などを経て「普通肥料」として農林水産大臣から登録を受けた。21年3月までは試行期間で農家らに無料で配り、4月から販売している。

 同社によると、主な成分は鶏ふんと同じように窒素とリン酸、カリだが、有機肥料にありがちな商品によっての成分のばらつきは少なく、安定しているという。肥料だけでなく、土壌改良材としての利用も勧めており、町内で栽培が盛んな梅のほか、ウスイエンドウやミカンなどさまざまな農作物で利用されている。利用者のうち梅農家が約6割を占め、家庭菜園で使う人も増えてきているという。「ペレットになっているので扱いやすい。農家に幅広く使ってもらいたいし、家庭菜園でも利用してもらいたい」とPRする。

 脱水汚泥は、みなべ町と上富田町、田辺市龍神村、同市本宮町にある下水処理場から出たものを使っている。一般的に脱水汚泥は焼却処分することが多く、それだと焼却炉に負担がかかる上に燃料代も要ることが課題になっている。堆肥化は、この課題の解消につながる上、環境に優しい肥料として有効に再利用できるとして一石二鳥の取り組み。同センターでは1年間で約800トンの脱水汚泥を発酵処理し、160~200トンの堆肥を製造している。

 西山代表は「もっと多くの人に使ってもらうことで循環型社会の構築につながっていければと思う。現在はセンターだけでしか販売していないが、広めていきたい」と話す。町内の小中学校に花壇用などとして無料で提供しており、今後は他の市町でも提供したいという。

 価格は20キロ入りで250円(税込み)。問い合わせはセンター(0739・34・2588)へ。