和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年10月12日(土)

鳥のように飛んで自然を満喫 古座川町の名所をVRで体験

ゴーグルを使うと、空を飛んでいるような気分も味わえる古座川町観光協会のVR動画(和歌山県古座川町池野山で)
ゴーグルを使うと、空を飛んでいるような気分も味わえる古座川町観光協会のVR動画(和歌山県古座川町池野山で)
古座川の一枚岩を空から見た動画
古座川の一枚岩を空から見た動画
 和歌山県古座川町相瀬にある日本最大級の巨岩「古座川の一枚岩」のそばを鳥のように飛んだり、自転車に乗って町内の名所を駆け巡ったり―。そんな感覚が味わえるVR(バーチャル・リアリティー=仮想現実)動画を古座川町観光協会が制作し、公開を始めた。動画投稿サイト「ユーチューブ」からダイジェスト版を見ることができるほか、同町池野山にある道の駅「虫喰(むしくい)岩」などでは、全10種類の動画を体験できる専用ゴーグルも用意している。

 「和歌山県古座川町 360。VR TOURISM」と題した動画は、コロナ禍の中でも古座川に行った気持ちになれ、将来的には実際に訪れてもらいたいなどとして制作した。観光地の魅力向上や観光客の利便性向上につながるソフト事業を支援する県の「やる気観光地魅力アップ協働事業」を活用。昨年夏から撮影を始めて制作に取り組み、4月中旬から公開を始めた。

 完成したVR動画は「一枚岩」「滝の拝」「古座川の桜」といった町内の名所のほか、「サイクリング」「川下り(カヌー)」「釣り」「狩猟」といった体験も紹介した全10種類。ドローンを飛ばしたり、自転車を運転したりしながら撮影して3分半から8分余りの動画に仕上げ、観光協会の森武志副会長がナレーションを付けた。

 ゴーグルを装着すると周囲360度を見回すことができるようになっており、実際に一枚岩や滝の拝、クマノザクラの名木の近くを鳥のように飛んだり、サイクリングやカヌーといった体験をしたりしている感覚を臨場感たっぷりに味わうことができる。

 ユーチューブに設けている観光協会の公式チャンネルでは今のところ、ダイジェスト版(6分28秒)と体験した住民の反応を紹介した動画を公開しており、今後、視聴できるVR動画の種類を増やしていく予定。動画は専用のゴーグルがなくても視聴できるが、スマートフォンを中に入れる簡易なゴーグルでも手軽に楽しめる。

 観光協会では道の駅「虫喰岩」とトヨタレンタリース和歌山南紀白浜空港店(白浜町)の2カ所でVRゴーグルを無料で貸し出し、その場で視聴できるようにしている。設置場所は今後5カ所まで増やす計画という。

 観光協会の上田柊大郎さん(19)は「体験された方からは『すごい』『新しい視点で古座川町の魅力を感じることができた』という声を頂いている。その場所に本当にいるような臨場感があり、まず動画を見た上で古座川町を訪れていただければうれしい」と話している。

 問い合わせは古座川町観光協会(0735・70・1275)へ。