和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年04月29日(月)

未舗装路をバイクで疾走 紀南舞台にクロスカントリー・ラリー

雨の中、スタートする参加者(和歌山県田辺市龍神村安井で)
雨の中、スタートする参加者(和歌山県田辺市龍神村安井で)
バイクで未舗装のコースを走る参加者(和歌山県田辺市龍神村で)=SSER提供
バイクで未舗装のコースを走る参加者(和歌山県田辺市龍神村で)=SSER提供
 和歌山県紀南地方を舞台にしたクロスカントリー・ラリー競技大会が16~18日に開かれた。初日には田辺市龍神村で開会式が行われた後、北海道から九州まで全国から参加した約50人がスタート。計約700キロを3日間かけてバイクで走破し、未舗装区間のタイムを競った。


 クロスカントリー・ラリーは原野や砂漠、山岳地帯といった自然環境の中、自動車やバイクで長距離を走破してその所要時間を競うモータースポーツ。

 大会を主催したのは、愛媛県東温市に拠点を置くモータースポーツ競技団体「SSER ORGANISATION(エスエスイーアール オーガニゼーション)」(山田徹代表)。全国各地でバイクを中心としたモータースポーツのイベントを主催しており、モンゴルでも国際ラリー競技会を開催している。

 今回の大会名は「第1回ラリー・ツールド紀伊街道2022」。九州や四国、東北など各地で計5戦の大会を予定している「ツールド・ニッポンシリーズ2022」の第3戦として開催した。

 16日には、龍神村安井の林業者等健康増進センターで開会式をした後、参加者が1人ずつスタート。各ポイントのみを記した「コマ地図」と呼ばれる図を頼りに、使用許可を得てコースとして設定した林道などの未舗装路をバイクで疾走した。この日は同市の奇絶峡や天神崎、白浜町の南方熊楠記念館、同市中辺路町の熊野古道館などを巡って龍神村に戻る約200キロを走破した。途中に走行した舗装道はタイム外とした。

 17日は龍神村から串本町の潮岬や那智勝浦町の那智の滝などを経て同市本宮町まで向かう約300キロ、18日は本宮町から護摩壇山などを経由して龍神村の林業者等健康増進センターにゴールする約200キロを走った。

 優勝したのは、大阪府から参加した福岡秀之さんで、未舗装路の競技区間約55キロを1時間4分25秒で走った。

 SSERの山田代表(67)は「今回は観光に重きを置いて、主な名所をルートの中に入れたラリーイベントとした。和歌山は四国と似て、盛り込まれている歴史や文化の濃度が高く、その魅力は大きい。次回は家族と一緒に参加できるイベントにしたいと考えている」と話した。