和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月21日(火)

白浜開発が民事再生法申請 ゴルフ場は営業継続

営業を継続していく「白浜ゴルフ倶楽部」(和歌山県白浜町で)
営業を継続していく「白浜ゴルフ倶楽部」(和歌山県白浜町で)
 和歌山県白浜町でゴルフ場「白浜ゴルフ倶楽部」を運営する白浜開発(本社・白浜町、田中進代表)は25日、和歌山地裁へ民事再生法の適用を申請した。負債額は約9億5700万円(債権者約490人)。今後、田辺市本宮町でホテルを経営する会社「わたらせ温泉」(本社・堺市)が支援することが決まっており、ゴルフ場の営業を続けながら再建を目指す。

 信用調査会社帝国データバンクと白浜開発の代理人弁護士によると、白浜開発は、1955年10月の設立で、資本金は1億2610万円。56年8月に開場した白浜ゴルフ倶楽部は、白浜温泉の丘陵地に立地。温泉付きのクラブハウスのほか、海を一望できるレストランがあり、白浜に保養所がある企業や関西圏の観光客を顧客とする白浜の老舗ゴルフ場として知られている。

 90年代以降、長引く景気の低迷とゴルフ人口の減少で売り上げ、収益ともに低調に推移。2011年には東日本大震災の発生や台風12号の被害に伴う競技の自粛により来場者が減少。11年9月期の年収入高は約2億700万円にまで落ち込んでいた。

 その後も会員の高齢化や設備の老朽化に伴い集客に苦戦。20年以降は新型コロナウイルス感染症による外出自粛で利用客が減少。近隣ゴルフ場の閉鎖で入場者数は回復傾向にあったが、不透明な先行きから業績回復のめどが立たなかったという。

 なお、白浜開発は28日午後2時から取引先、同日午後4時から保証金を預けている会員を対象に、田辺市新屋敷町の紀南文化会館1階展示ホールで説明会を開く。保証金を預けていない会員対象の説明会は31日午後2時から、白浜町の「シラハマキーテラス ホテルシーモア」6階コンベンションホールで開く。


■面積8割は町有地

 ゴルフ場全体の面積は約50万平方メートル。白浜町によると、約8割に当たる40万7572平方メートルが町有地となっている。