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2024年05月02日(木)

道路照明の電気料金6千万円過払い 和歌山県

和歌山県庁
和歌山県庁
 和歌山県は8月31日、道路の照明灯の電気料金について、少なくとも約6100万円を関西電力に余分に支払っていたことを明らかにした。過払いが約1600万円、国や市町に移管したのに県が払い続けていたのが約4500万円で、最も古くからの契約は約60年前から続いてきたという。

 大阪府が電気料金を過払いしていたとの報道を受け、県が6月から全4560件の契約について調査している。8月25日時点で、確認中の107件を除く4453件のうち、356件について不適切な支払いが分かったという。

 交差点改良などで照明灯が撤去などされて存在しないのに支払ってきたのが59件(約1400万円)。料金の安いLED灯に変更したのに手続きしていなかったものが102件(約200万円)あった。

 国土交通省や15市町へ道路管理を移管し、本来は県が照明灯の料金を負担する必要がないのに、払い続けてきたものは180件(約4500万円)。最も古い契約は1964年に白浜町に移管された道路の照明灯で、約60年間、肩代わりしてきた形になる。

 また、逆に県が負担すべき照明灯の料金を支払っていないものが15件(約180万円)あった。

 これらの原因について県は、県や県発注工事の受注者、関西電力による、契約の変更や解除の手続き漏れとみている。今後、原因を究明した上で、関西電力や国、市町と協議し、返還請求などを検討する。

 ただ、仁坂吉伸知事は記者会見で「県の過失なので、法廷で争うことまでは考えていない」と説明。「不注意な行政をしていた。取り返せない可能性もあり、県民に損をさせた。行政のトップとしておわびを申し上げたい。申し訳ありませんでした」と陳謝した。