和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月02日(木)

岸本知事就任1カ月 「意見、要望は自ら聞く」

就任後初の定例記者会見に臨む岸本周平知事(17日、和歌山県庁で)
就任後初の定例記者会見に臨む岸本周平知事(17日、和歌山県庁で)
 和歌山県の岸本周平知事が就任して1カ月。県政の円滑な運営に向け、若手職員や県民から、意見や要望を、知事自らが聞く仕組みづくりに取りかかっている。自身初めてとなる定例記者会見を17日に開き、その思いや狙いを語った。

■各地で「話を聞く会」

 岸本知事は選挙戦で「できるだけ広く現場に行って、皆さんの話を聞いてそれを応援したい」と語り当選。昨年12月17日に就任した。

 早速、1月9日、第1回となる地域での意見交換会を、田辺市の秋津地区と上芳養地区で実施。秋津では、防災対策や農業の実態、子ども会の参加者の減少など、上芳養では鳥獣害対策の現状などについて聞き、意見交換した。

 仁坂吉伸前知事は市町村ごとに「行政報告会」を開き、県の政策説明をしていたが、これを廃止。岸本知事は「私が住民の話を聞く会に変えた。小さな集会を開いて、県民の意見や要望、不満を拾い上げる方が(県政運営に)効果があると思った」と理由を説明。聞いた課題の答えは、振興局を通じて返す仕組みを作りたいとした。

■全職員と昼食を

 岸本知事は、週1、2回、8~10人ずつの職員と、知事室で昼食を取りながら懇談する「おにぎりミーティング」を実施している。「失敗を恐れずに挑戦するよう、意識を変えてもらうとともに、若い皆さんの意見を聞き、顔と名前を覚える」のが目的。

 1月上旬までに知事室内の全職員計52人と実施。11日からは「フレッシュで、組織に批判的で、とんがった人の意見を聞きたい」と、入庁6~7年目の若手約70人を対象にしている。最終的には、全職員を対象にするという。

 幹部と知事による「部長会議」の形も変える。従来は、部長らが課題などを報告し、出席者が共有する形だったが、今後は県の課題ごとに自由に議論する会議に変更したいとした。

■事業の検証指示

 就任1カ月の感想として、職員の優秀さを評価した一方「真面目過ぎ、たくさん資料を作り、大勢で(知事に)説明に来られるが、100点満点を取る必要はない。肩の力を抜いてほしい」とした。

 その上で「すごく無駄が目に付く」とし、例えば、コストが高いカラーコピーは、対外的なものを除いて使わないよう指示したという。また、県主催のフェアや事業などについて「やったらやりっぱなしで効果などフォロー(追跡)がない」と指摘。改善を指示したという。

 機構改革や人事については「就任から1カ月や2カ月で、組織の根幹をなす人事を、思い付きで変える気持ちは毛頭ない。予算も人事も大胆な改革は再来年度やる」と述べた。