和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年10月07日(月)

空き家活用し地域元気に みなべ町清川、情報提供呼びかけ

空き家の利活用に取り組む「清川くらし探究舎」のメンバー(昨年春、和歌山県みなべ町清川で)
空き家の利活用に取り組む「清川くらし探究舎」のメンバー(昨年春、和歌山県みなべ町清川で)
援農者の滞在施設として利用された民家(和歌山県みなべ町清川で)
援農者の滞在施設として利用された民家(和歌山県みなべ町清川で)
 和歌山県みなべ町清川の農家ら住民有志が、地域の課題の一つである空き家の利活用に取り組んでいる。移住者や援農者を増やし、地域の活性化を目指しており、活動への理解や空き家の情報提供を呼びかけている。

 近年、同町でも少子高齢化や人口流出により過疎化が進み、空き家が目立ってきた。空き家が増えると景観が損なわれ、倒壊などの危険性が高まる。一方で、移住や一時的に滞在したいという人がいても住居の確保が難しいのが現状だ。

 住民有志は、人手不足となっている梅の収穫などの農作業を手伝ってくれる人を受け入れるのに、昨年1月から空き家を探し始めた。空き家の調査や家主との交渉をスムーズにできるようにと、7人で「清川くらし探究舎」を結成し、地元の農家である山﨑真一さん(60)が代表になった。

 すぐに軽井川地区と名ノ内地区で貸してくれる空き家が見つかり、梅の収穫や選別を手伝ってくれる人が何人もシェアハウスとして短期間利用した。軽井川の空き家は今月から、北海道出身の20代女性が住むようになった。名ノ内の空き家は今春から、兵庫県出身の20代男性と埼玉県出身の30代女性が住む予定。3人とも、援農でみなべ町を訪れ、気に入って移住を決めたという。

 探究舎のメンバーは今月中旬、清川地域の総会で区民に活動報告リポートを配り、理解と協力を求めた。呼びかけを清川地域だけでなく、町内全域に広めていきたいという。

 メンバーの一人で、農家に援農者を紹介する会社を経営する山下丈太さん(40)も、2020年5月に移住してきた。住居は空き家だった民家を借りている。「みなべは日本一の梅だけでなく、海や山、川といった自然が豊かで、温泉もあり、魅力は多い。人情があふれ、住み心地が良いので、住む所があればもっと多くの人が移住してくるのではないかと思う」と空き家の利活用の重要性を訴える。

 山﨑代表も「町内でも特に山間部は子どもが少なくなっている。空き家を利用することで地元の人が残ってくれ、他地域から移り住んでくれることにつながればと思う。援農者も来てくれれば、地元住民との交流が生まれ活性化につながる」と話している。

 問い合わせは、清川くらし探究舎の事務局を務める山下さん(090・9865・8929)へ。