和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年10月07日(月)

1階改修の概要固まる 旧古座分庁舎、展示や図書で宇宙身近に

自分が描いた人工衛星が天井に映し出される展示のイメージ図=ムラヤマ関西支社提供
自分が描いた人工衛星が天井に映し出される展示のイメージ図=ムラヤマ関西支社提供
中央にロケットの最先端部を模した造形物が配置された図書スペースのイメージ図=ムラヤマ関西支社提供
中央にロケットの最先端部を模した造形物が配置された図書スペースのイメージ図=ムラヤマ関西支社提供
 和歌山県串本町が、民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」(串本町田原)ができたことに合わせて同町西向にある旧古座分庁舎をロケット関連施設として改修している事業で、1階部分に宇宙やロケットに関する展示や図書スペースを設ける計画の概要が固まった。14日に開かれた町議会の臨時会で、設計や施工などの業務委託契約を企業と締結するための議案を賛成多数で可決。年内の完成を目指している。

 町は旧古座分庁舎の改修事業として2階に「古座サテライトオフィス」、3階に「8K臨場感シアター」を既に整備しており、残る1階部分に展示と図書のスペースなどを設ける計画を進めている。

 臨時会では名田倍也企画課長が、この事業についてプロポーザル方式による公募に取り組んだところ4社から参加表明があり、今月3日、外部有識者2人を含む5人を審査員とし、各社からのプレゼンテーションを審査。満場一致で総合ディスプレー業「ムラヤマ関西支社」と1億3739万円で仮契約を締結することにしたと説明した。

 同社から提案された計画では、施設を入って右側に設ける展示は大きく六つのゾーンに分かれており、最初のゾーンでは、実物大ロケットの発射をイメージした映像が来場者を迎える。拡張現実(AR)によって宇宙服を着た自分の姿を映し出して撮影することもできるようにする。

 この他のゾーンでは、5メートル程度の大型ロケット模型を展示してロケットの構造を解説したり、プロジェクションマッピングを利用してロケットの打ち上げから人工衛星の分離までを体験できるデジタルコンテンツを設けたりする。自分で描いた人工衛星を天井の半球スクリーンに投影することができる仕掛けも取り入れる予定という。

 施設入って左側に設ける図書スペースは、中央にロケットの最先端部「フェアリング」をイメージした造形物を設置し、天井には星空の壁紙も施し、宇宙を身近に感じることができる空間を演出する。

 また、施設の入り口にインフォメーションやミュージアムショップなどを設置したり、玄関などの外観も施設の存在感を高めるデザインで装飾したりする計画という。

 町企画課によると、今後、同社と計画の詳細を詰めて設計をし、7月ごろから工事に取りかかる予定。利用開始は来年からを目指しており、展示と臨場感シアターについては有料を想定している。