和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年10月20日(日)

たいまつ手に「走り参り」 串本の雷公神社で例祭

約30人の青年がたいまつを手に神社に参った(8日、和歌山県串本町樫野で)
約30人の青年がたいまつを手に神社に参った(8日、和歌山県串本町樫野で)
社殿の前で獅子舞を奉納する氏子ら
社殿の前で獅子舞を奉納する氏子ら
 和歌山県串本町樫野にある雷公(なるかみ)神社で8、9日、例祭が営まれた。8日の宵宮では火祭り神事「走り参り」があり、長さ約4メートルの竹製たいまつを手にした若者ら約30人が暗闇に火の帯を描いた。

 同神社は江戸時代「鳴神明神社」と呼ばれ、須江、樫野の両浦の産土神(うぶすながみ)として崇敬されていたが、1868(明治元)年に「雷公神社」と改称し、73(明治6)年4月に村社となった。主祭神は須佐之男命(すさのおのみこと)の子、五十猛命(いそたけるのみこと)。例祭では海上の安全や豊漁などを祈願している。

 「走り参り」は、1107(嘉承2)年、神社下の「前の浜」に流れ着いた神様を、近くの大竜寺住職と住民らがたいまつを持って迎えに行き、神社に祭ったことに由来すると伝わっている。20年ほど前から、過疎高齢化で担い手が不足していることから、航空自衛隊串本分屯基地(串本町須江)の隊員15人も参加している。

 宵宮では、深美芳治宮司による神事、樫野祭典部による獅子舞の奉納が終わった午後9時ごろ、迎え火を持った1人の青年が神社から約1キロ離れた樫野集会所へ向かい、待機していた若者らのたいまつに火を移した。約15分後、たいまつを持った若者らが1列になって「参るぞー」と叫びながら階段を駆け上がって神社に参り、その後「参ったぞー」と叫びながら階段を駆け降り、大竜寺に立ち寄ってから集会所へ帰った。

 走り参りの後、初めて参加した鈴木斗碧君(11)=大島小学校5年=は「たいまつが重くて、煙で目が痛かったけど、来年も参加したい」、迎え火を担当した永石貢大さん(30)は「何とか無事に終えられた。たいまつもよく燃えてくれた。夢中だったが疲れた」、岩谷亮・祭典部委員長(38)は「みんなけがなく、無事に終えられてよかった。この祭りを絶やさないようにしていきたい」と話していた。