和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月04日(土)

運動会、秋から春へ 暑さ対策、「時短」も定着しそう

本年度から春開催の生馬小学校では、月末の運動会に向けて練習が進められている(16日、和歌山県上富田町生馬で)
本年度から春開催の生馬小学校では、月末の運動会に向けて練習が進められている(16日、和歌山県上富田町生馬で)
 和歌山県田辺・西牟婁の小中学校で、春の運動会が広まっている。かつて秋の風物詩だったが、本年度は、4市町にある60小中学校のうち、32校と半数を占めた。熱中症対策や学級づくり、秋に集中する行事を調整する狙いがある。


 田辺市内の39小中学校の運動会は、2020年度時点では全て秋だった。ところが、初夏を含む春開催が急増。21年度に7校、22年度に15校、本年度は21校で秋を逆転した。

 白浜町では、13校中7校が春に開催する。本年度から移行する白浜中は「春だからといって熱中症の心配がなくなるわけではないが、リスクは下げられる」と話している。

 22年度まで全6校が秋開催だった上富田町も、本年度は6校中4校が春開催。熱中症対策を理由に春開催に変更した上富田中は「夏に練習していた団体演技などは、春開催になることで少し内容が変わる。初めて春に開催し、細かい部分は来年度以降に向けて調整していきたい」という。

 すさみ町は、小中学校ともに秋開催の予定。

 春に移行した学校では、初夏がシーズンだった修学旅行を秋に実施するケースも増えている。

 春か秋かは、学校事情や地域性にも左右される。梅の栽培が盛んな地域では、春が農繁期となるため秋を選択するケースが多い。地域と合同で取り組む小中学校でも多くが秋開催を選んでいる。

 一方で、コロナ禍で導入した午前中のみで終える運動会の「時短化」は、「保護者の反応もいい」「職員の働き方改革にもなる」として、春秋問わず定着しそうだ。