和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月21日(火)

料理宿「朝日楼」が指定管理者 和歌山・みなべ「鶴の湯温泉」町が募る

10月からの指定管理者が朝日楼に決まった鶴の湯温泉の施設。右が温泉館、左が宿泊館(和歌山県みなべ町熊瀬川で)
10月からの指定管理者が朝日楼に決まった鶴の湯温泉の施設。右が温泉館、左が宿泊館(和歌山県みなべ町熊瀬川で)
 和歌山県みなべ町熊瀬川にある町有の温泉宿泊施設「鶴の湯温泉」の10月からの指定管理者が、同町埴田の料理宿「朝日楼」(尾﨑次郎代表)に決まった。9月に町と朝日楼が協定を結ぶ。経費の適正化を図るとともに、体験や交流イベントなどを企画し地域活性化を目指すという。


 「鶴の湯温泉」は現在、宿泊施設などの事業を展開する海南市の会社が指定管理者となって運営しているが、来年3月末の期限で撤退するため、町が新たに指定管理者を募集。その後、9月下旬で指定管理者を取り消してもらうよう申し出があり、新しい指定管理者による運営は予定より半年早まった。

 その状況も踏まえ、町内の2社と三重県亀山市の1社の計3社から応募があり、町長や副町長、町観光協会長らでつくる選定委員会が書類を審査したり、プレゼンテーションを聞いたりして選定。24日開いた町議会臨時会で指定管理者の指定が可決された。

 指定期間は10月1日~2026年3月31日の2年半。町が指定管理者に支払う管理委託料は年間「1500万円以内」となっている。

 鶴の湯温泉は、日帰り入浴ができる温泉宿泊施設(12部屋)。計画では、人員配置の効率化や仕入れ原価の見直し、調理プロセスの改善などで経費の適正化を図る。さらに農業や梅ジュース作り体験、観梅や梅の日に合わせたイベントの開催、都市部から人を呼び込む交流イベントを企画するなど、町のPRや地域貢献につながるサービスを展開する。

 朝日楼は明治時代に日本料理屋から始まった。1995年に宿泊棟を増設し、料理宿として新しくスタートした。近くの漁港から仕入れた新鮮な海の幸の料理のほか、眺望も楽しめる温泉浴場が好評で、ビジネスからファミリーまで幅広く利用されているという。