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2024年05月09日(木)

不登校、5年連続で最多 和歌山県の小中学校、小学生は5年前の3倍に

和歌山県内公立学校の不登校者数
和歌山県内公立学校の不登校者数
 2022年度の和歌山県内公立学校の不登校者数は、小学校が654人(千人当たり15・3人)、中学校が1164人(55・3人)で、いずれも5年連続で過去最多を更新したことが分かった。小学校の不登校者数は5年前(17年度)の3倍となった。


 県教育委員会が4日、文部科学省の「児童生徒問題行動調査」の結果を基に、県内の状況を公表した。

 小学校は18年度に不登校者数が262人、千人当たりの割合が5・8人で、いずれも過去最多となった。その後、最多更新が続き、21年度には500人を超え、587人となった。さらに22年度は前年度より67人増加した。

 中学校も18年度に751人、34・2人と人数、割合とも過去最多となった。21年度に初めて千人を上回る1007人となり、22年度はさらに157人増えた。

 高校も増加している。前年度より84人多い576人(千人当たり31・7人)となり、4年連続で増えた。過去最多は04年度の842人(42・2人)。

 不登校者数の増加について県教委は、新型コロナウイルス対策により、生活のリズムが乱れやすかったこと、学校生活でさまざまな制限があって交友関係を築くことが難しかったこと、登校意欲が湧きにくい状況があったことなどを挙げている。また、不登校に対する理解が広がってきていることも背景にあると考えられるという。

 県教委は学校に対し、不登校対応のマニュアルなどの活用徹底を呼びかけたり、不登校に特化した管理職研修を開いたり、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を進めたりしている。

 いじめの認知件数は小学校が4988件(前年度比209件減)、中学校が414件(91件増)、高校が57件(9件減)、特別支援学校が62件(44件増)。要因については、小中高全てで「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が最も多かった。中高では「パソコンや携帯電話などで誹謗(ひぼう)中傷や嫌なことをされる」も多かった。

 暴力行為は小学校が95件(10件減)、中学校が225件(42件増)、高校が33件(6件減)で、器物破損や生徒間暴力が多かった。