和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年10月05日(土)

「南高梅」生まれた農園で観梅 ジャムや梅干し作り体験も、和歌山・みなべ

見頃となっている梅林。右手に南高梅の母樹がある(和歌山県みなべ町晩稲で)
見頃となっている梅林。右手に南高梅の母樹がある(和歌山県みなべ町晩稲で)
 和歌山県みなべ町晩稲の農園「たかだ果園」は今年から、梅林(有料)を本格的にオープンさせた。ジャムやシロップ、梅干し作りなど梅の加工体験も受け入れる。梅のブランド「南高梅」が生まれた農園で、人や自然環境に優しい有機農業に力を入れており、「こだわりを持って生産する梅の現場を見て、体験してほしい」という。

 たかだ果園の梅林は、南部梅林に近い小高い丘の斜面にある。ここは南高梅の母樹があることで知られる。

 農園代表の高田智史さん(66)の祖父が1902年に植えた苗木の中に、後に「南高梅」と名付けられる優良な苗木があったことから始まる。母樹は町内の別の場所に植えられていたが2020年に42年ぶりに里帰りした。周りにはきょうだいの木1本と孫に当たる木も約20本植えられている。

 その母樹の上手に「見晴らしハウス」が立つ。梅干し場を改修した施設で、展望デッキもあり、周辺に広がる梅林の風景を楽しむことができる。8日現在、八分~満開で見頃。母樹は二、三分咲きだという。

 梅加工の体験はこの施設でする。ジャムやシロップ、梅干し、梅酒づくりができる。これとは別に梅の収穫など農業体験もできる。

 梅林に立つ家屋や加工場は趣があり、とりわけ昨年夏に建てられた木造の加工場は、「きのくに建築賞」(県建築士会などでつくる建築三団体まちづくり協議会主催)で最優秀賞を受賞した建物だ。

 梅林や加工場などを見学する入園料は案内も付いて1100円。小学生以下は無料。加工の体験は商品の持ち帰りも含めて5500~1万5700円。見晴らしハウスでは焼き芋や餅、梅ジュース、コーヒー(いずれも有料)なども用意している。

■11、18日にイベント

 農園では11日と18日にイベントを開く。入園料が必要。

 両日とも午前11時と午後2時に餅つき大会(餅は別料金)。11日には「クレープリー・朋」(田辺市稲成町)が、たかだ果園とのコラボで梅干しを使って作ったガレットとクレープを販売する。

 問い合わせは、たかだ果園(0739・74・2113)へ。