和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月01日(水)

小栗の物語巡るバスツアー

ツアー申し込み
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 世界遺産熊野本宮大社の旧社地、大斎原(おおゆのはら)=田辺市本宮町=で5月11日に上演される演劇「小栗判官ものがたり」に合わせ、物語ゆかりの地を巡る日帰りバスツアー「蘇(よみが)りの旅」がある。ガイド付き。演劇も招待席で観覧できる。


 熊野古道の世界遺産登録20周年を記念して田辺市熊野ツーリズムビューローが、演劇を主催する「劇団たなべ座」などと企画した。参加者を募集している。

 演劇は熊野がつなぐ小栗と照手姫のラブストーリー。謀略で毒殺された小栗が餓鬼の姿でこの世に戻され、険しい熊野の道を多くの人の情けによって運ばれた末、本宮町の湯の峰温泉で蘇生するまでを描く。

 ツアーでは、熊野古道巡礼に臨む際に水を浴びてけがれを除く潮ごり、水ごり、湯ごりの「三ごり」場を見学する。伝説の地である救馬渓観音(上富田町生馬)や湯の峰温泉も訪れる。

 救馬渓観音で非公開にしている照手像の特別拝観、「小栗判官・照手姫」の物語に魅せられた同好者による「全国小栗フォーラム」の安井理夫顧問(田辺市本宮町)と森本眞弘会長(上富田町)によるガイドなどの特典もある。

 当日は午前11時45分に田辺市湊のJR紀伊田辺駅前を出発。田辺扇ケ浜の潮ごり場、救馬渓観音、水ごり場、湯の峰温泉郷、世界遺産センターなどを見学。大斎原で演劇を鑑賞し、午後9時45分に紀伊田辺駅着の予定。

 料金は1人1万1千円(夕食の弁当付き)。ファクス(0739・26・5820)やインターネット=2次元コード=から申し込む。問い合わせは田辺市熊野ツーリズムビューロー(0739・26・9025)へ。受け付けは平日午前9時~午後5時。

■野外で演劇

 田辺市を拠点に活動する劇団「たなべ座」による奉納劇「小栗判官ものがたり」は5月11日午後6時45分、大斎原である。約75分。観劇は無料。

 「たなべ座」は「小栗判官と照手姫のたどった道は、身分の低い人や病に苦しむ人が来世への希望を求め歩いた道で、小栗街道として残っている。演劇が老若男女、貴賤(きせん)を問わずの熊野の精神を未来に受け継ぐきっかけになればいい」と呼びかけている。

 本宮町の大瀬太鼓踊保存会による「大瀬の太鼓踊」(県指定無形文化財)の披露もある。

 問い合わせは「たなべ座」事務局(090・3271・3103)へ。