和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年12月19日(金)

津波警報でドローン活用 リアルタイムに状況確認、和歌山県田辺市

ドローンで撮影した中継映像を見ながら沿岸部の状況を確認する市職員(30日、和歌山県田辺市役所で)
ドローンで撮影した中継映像を見ながら沿岸部の状況を確認する市職員(30日、和歌山県田辺市役所で)
 各地に津波警報が発表された30日、和歌山県田辺市は、初動対応に高性能ドローンを活用した。庁内から指示を出しながらドローンを飛ばし、沿岸部の状況を確認。現場の様子をリアルタイムで共有した。

 市は昨年5月の新庁舎開庁に合わせ、「オペレーションシステム」の運用を開始。テレビやインターネット、ドローン映像など、災害に関するさまざまな情報を一元管理し、ネットワークで共有できる体制を整えている。さらに本年度は、ドローン映像をリアルタイムで配信できる事業も予算化した。

 今回の対応では、最大200倍のズーム撮影ができるドローンを活用。警報発表後、市職員が市役所本庁舎向かいにある立体駐車場屋上で機器を操作した。

 庁内のオペレーションルームで待機していた別の職員が、上空から撮影した中継映像をモニターで共有。「沿岸部に逃げ遅れた人はいませんか」「津波避難タワーの様子はどうですか」「河口付近を映してください」などと呼びかけながら、状況を確認した。

 市はこれまで、災害対応訓練でドローンを使うことはあったが、実際の津波警報発表時に活用したのは初めて。担当者は「ドローンを使えば、少ない人員で広範囲にわたる情報を素早く収集できる。災害対応に役立つことを改めて確認した」と話している。


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