和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月04日(土)

梅雨の晴れ間にほうき星撮影 紀南でネオワイズ彗星

北西の空に姿を現した彗星(20日午後8時6分、和歌山県串本町樫野で)50ミリのレンズで露光時間6秒。周辺をトリミング。右下の円内は200ミリの望遠レンズで同時刻に撮影。
北西の空に姿を現した彗星(20日午後8時6分、和歌山県串本町樫野で)50ミリのレンズで露光時間6秒。周辺をトリミング。右下の円内は200ミリの望遠レンズで同時刻に撮影。
 日本から見える彗星(すいせい)では近年にない明るさとして注目されている「ネオワイズ彗星」が20日夜、和歌山県串本町など紀南地方でも観測された。国立天文台によると、この彗星は、日の入りから1時間ほどたった後の北西の低い空で、今月末ぐらいまで観察可能という。

 天文台によると、ネオワイズ彗星は今年3月、アメリカの航空宇宙局(NASA)が打ち上げた赤外線探査衛星「ネオワイズ」により発見され、7月4日に太陽に最も接近して活動のピークを迎えた。20日現在の明るさの等級は約3等という。

■5度目の挑戦で撮影成功 本紙牧康宏記者

 串本町樫野の樫野埼灯台近くでは午後8時すぎ、肉眼で確認することは難しかったが、目安となる北斗七星の下辺りにカメラを向けてシャッターを切ると、赤く染まった雲の上に、尾を引いた彗星の姿を捉えることができた。午後8時20分ごろには雲に隠れてしまった。

 ネオワイズ彗星の撮影に挑戦するのは、この日で5度目。長引く梅雨の影響で星空が見えず、雲の動きを予測するインターネットのサイトを参考にして晴れ間を探し、初めて撮影に成功した。

 今後も条件が良ければ、午後8時ごろから9時ごろまで北西の低い空で観察できる。双眼鏡を使うと見つけやすいが、太陽から遠ざかるため明るさはだんだん暗くなる。この彗星が次に太陽に近づくのは、5千年以上先とみられるという。

 国立天文台は「どこにあるかが分かりづらいと思うので、街灯など邪魔な明かりがない所に行き、なるべく双眼鏡を使って、位置を確かめた後にご覧いただければ」と話している。ホームページで詳しい位置などを紹介している。