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張り子の八咫烏が熊野詣で 例大祭写真展に合わせ展示

例大祭に向けた写真展に合わせて展示されている八咫烏のジオラマ(和歌山県田辺市本宮町で)
例大祭に向けた写真展に合わせて展示されている八咫烏のジオラマ(和歌山県田辺市本宮町で)
 和歌山県田辺市本宮町の世界遺産熊野本宮館で、熊野本宮大社の例大祭「本宮祭」(4月13~15日)に向け、祭りの様子を紹介する写真展が開かれている。それに合わせ、高齢者施設のお年寄りらが作った張り子の「八咫烏(やたがらす)」が熊野詣でをしているジオラマの作品も展示している。4月9日まで。

 ジオラマは、張り子人形作りを通じて人と人がつながる活動をしているボランティア団体「ヤタガラスプロジェクト」(児野和徳代表)が制作。

 団体には同市神島台にある老人ホーム「シニアホーム鯨洋」に入所しているお年寄りらが参加しており「コロナ禍で施設と外部のつながりが途絶える中でも作品を通じて人とつながっていきたい」との思いから、80~90代のお年寄り5人が中心となり、昨年4月から制作を開始。今年2月に完成させた。

 大きさは幅約180センチ、奥行き約30センチ。熊野の神の使いとされる八咫烏が田辺のまちなかから熊野古道を通り、大鳥居のある熊野本宮大社の旧社地・大斎原(おおゆのはら)に至る物語を表現した。

 制作に取り組んだシニアホーム鯨洋の川村多栄子さん(86)は「一日も早いコロナ禍の終息を願い、巣ごもりの間に作らせてもらった」と話す。児野代表(53)は「11カ月かけ、丹精込めて作った。作品を通じて、制作した人たちと心でつながっていただけたら大変うれしい」と話している。

 写真展では全紙サイズの作品21点を展示している。

 時間は午前9時~午後5時。問い合わせは熊野本宮館(0735・42・0751)へ。

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