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ネットで「仮想現地案内」 コロナ禍でふるさと定住センター

県ふるさと定住センターが制作しインターネットで公開している「仮想現地案内」の動画とスタッフ(和歌山県古座川町直見で)
県ふるさと定住センターが制作しインターネットで公開している「仮想現地案内」の動画とスタッフ(和歌山県古座川町直見で)
 移住希望者の現地案内などに取り組んでいる和歌山県ふるさと定住センター(古座川町直見)が、コロナ禍の影響で活動がたびたび制限される中でも和歌山の魅力を発信したいと、インターネットを活用した「仮想現地案内」という動画シリーズの制作に力を入れている。実際に案内しているようにスタッフがカメラで撮影しながら現地を巡って見どころなどを紹介する内容で、現在11本の動画を公開。センターは「まずは動画で雰囲気を感じていただき、移住につなげていければ」と話している。

 センターでは現在、スタッフ3人が勤務。移住希望者を現地に案内したり、センターを訪れた人の移住相談に応じたりする業務に取り組んでいるが、昨年春、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って1回目の緊急事態宣言が発令された影響で、その業務ができなくなってしまった。

 そんな中でも「和歌山の魅力を伝え、移住につながる取り組みができないか」と、動画を見た人に実際に訪れた気になってもらえるよう、スタッフによる現地案内を模した動画の制作を企画した。

 動画編集は素人からのスタートだったが、移住希望者が位置関係を把握しやすいよう、紹介する場所の映像だけでなく、移動時の映像を画面に表示した地図と連動させるという工夫も盛り込みながら、昨年6月、第1弾として古座川町を紹介する30分程度の動画を公開。その後、串本町やすさみ町、白浜町、田辺市などを紹介している。

 増山清人センター長(40)は「コロナ禍の中での打開案として始めたが、動画を見て連絡を下さった方がいたり、この地域の動画はないのかとリクエストを頂いたりと反響があるのが大変うれしい。これまで紹介していない地域の動画を作るだけでなく、視点を変えた感じの動画も作っていきたい」と話す。

■相談3割強増える

 センターに2020年度に寄せられた相談件数は112件で、19年度より3割余り増えた。増山センター長は「コロナ禍の中でリモートで仕事ができることに気付くなどして、地方への移住への関心は確実に高まっている」とみている。

 動画は、県公式移住ポータルサイト「わかやまLIFE」内の「わかやまかなえるさんぽ」というコーナーから視聴することができる。

 センターでは6月21日に沖縄県以外の緊急事態宣言が解除されたことを受け、現在は、現地案内や対面相談の業務を再開している。

 問い合わせは同センター(0735・78・0005)へ。

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